実験デザインの例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 04:44 UTC 版)
論文においては本来このような実験条件の振り方キザみ方や、実験データの解析/処理の仕方を(専ら統計的な観点から)が読者にわかるように情報提供が行われなければならない。以下、「実験のデザイン」の典型的な例を挙げて例解する。 <<グループ間の差の検定の例>> サンプル:「無作為に抽出された50代以上の男性100人を」 グループ分け:「酒を1日に500 mL以上飲む群と,それ以外にグループ分けし」 比較するデータ:「体重を比較し」 検定量:「2集団の平均値に差がないという帰無仮説を」 検定方法:「t検定によって検定した」 <<1因子実験の例>> サンプル:文献1に記載のレシピ(タマゴ焼き)について、 制御因子:卵2個あたりの砂糖の量(g)を 条件の振り方(水準の設定):10g 〜20g の間で2g刻みで振り 比較するデータ:100人の被験者に無作為に配布し、味をとてもまずい(1)〜とてもおいしい(5)の5段階で評価してもらい。 統計処理:それぞれの条件に対し被験者がつけた評点の平均値と、ばらつきを評価する。 また、評価の順序(プロトコールという意味ではない)が重要なケース、即ち、実験Aと実験Bのどちらを先に実施したかが実験結果に影響を与えかねない場合の例として <<どちらの実験を先に行ったかによって実験結果が変わり得る場合の例>> 卵2個あたりの砂糖の量が「(a)卵2個あたり12g」 と「(b)卵2個あたり18g」のどちらの場合がより美味しいかを、「食べ比べによって比較してもらう場合」 については、同じ人が評価するとして「(a)の卵焼きを先に食べた場合」と「(b)の卵焼きを先に食べた場合」で評価が変わる可能性が充分ある。このような場合、評価の順序に対する公平性を担保するために例えば、 100人の被験者をランダムにA,B,C,Dの4群に分け、A群には(a)の卵焼きを先に食べてもらう B群には(b)の卵焼きを先に食べてもらう C群は2回とも(a)の卵焼きを食べてもらう D群は2回とも(b)の卵焼きを食べてもらう といったように評価の順番を無作為化することが必要となる。 さらに言えば、上記の実験でもC,Dはコントロール(対照群)が置かれているが、「どのような対照群を置くのか」という問題も検討する必要がある。
※この「実験デザインの例」の解説は、「科学的方法」の解説の一部です。
「実験デザインの例」を含む「科学的方法」の記事については、「科学的方法」の概要を参照ください。
- 実験デザインの例のページへのリンク