宇治山田港旅客ターミナル
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「宇治山田港」の記事における「宇治山田港旅客ターミナル」の解説
宇治山田港旅客ターミナルは中部国際空港と宇治山田港を結ぶ定期航路の宇治山田港におけるターミナルとして約6億4300万円をかけて整備した施設。伊勢市下野町にあった。セラヴィ観光汽船による運航が予定されていたことから、伊勢市が合併特例債を利用して、係留施設や駐車場を整備した。当初2007年(平成19年)秋に就航予定とされたが、セラヴィ観光汽船が2008年(平成20年)春への延期を申し出、2008年(平成20年)2月に一度も就航することなく撤退を表明した。 セラヴィ観光汽船の撤退表明を受けて、時の市長・森下隆生は伊勢市議会で謝罪するも、中部国際空港海上アクセス事業の継続を表明した。そして活用策が決まらないまま2008年(平成20年)4月にターミナルが完成、5月1日から利用が開始された。市では代替業者を探して奔走、市民による新会社が運行の受け皿となることも検討された。代替業者探しに暗雲立ち込める中、鳥羽市とを結ぶ遊覧船の発着場としての利用や、伊勢湾岸の愛知県の自治体との交流の場としての利用が提案された。 更に2009年(平成21年)1月には、費用節減のために浮桟橋に使われていた中古の台船の耐用年数が不明であることが発覚し、安全性を疑問視する声が上がった。三重県は浮桟橋の使用停止を指示し、住民団体による提訴も行われた。これと前後して長崎県の海運業者が就航を検討したものの、業者が伊勢市へ1億円の財政支援を求めたことから、交渉は打ち切られた。結局、森下市長は同年10月7日に海上アクセス事業の責任を取り辞任した。 出直し市長選挙の結果、海上アクセス事業の中止を公約とした鈴木健一が当選、ターミナルの撤去・譲渡・売却・有効活用という選択肢を提示した。そして2010年(平成22年)3月3日の伊勢市議会定例会で取り壊しが宣言され、撤去に8100万円かかるとの見通しが示された。そして同年7月14日の議会で撤去費用約8800万円を含む補正予算が可決された。そして2011年(平成23年)3月2日にターミナルの取り壊しが始まり、事実上旅客ターミナル問題は終幕を迎えた。 なお、中部国際空港と宇治山田港の間には、かつて神社みなとまち再生グループにより水上タクシー「伊勢1号」が就航していた。
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