子供のサテュロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 09:48 UTC 版)
子供のサテュロスはサテュロスに関係した伝説上の生物である。民話、古典工芸、映画、その他様々な郷土工芸にあらわれる。 古典工芸には若いサテュロスが歳取った素面のサテュロスから注意されている様子が描かれることがある。一方で、子供のサテュロスがディオニューソス信仰に参加し、楽器を奏で踊りをおどっている姿も描かれている。 子供のサテュロスがギリシアの花瓶といった古典作品にあらわれる。これは表面上は主に芸術家の審美眼によるものである。だが、ギリシア芸術における子供の役割からすると、子供のサテュロスにはそれ以上の意味があったと考えられる。アプロディーテーの息子のエロースは常に子供ないし赤児として表される。数え切れない程の作品の中で、しばしばサテュロスと共に、サテュロスの聖なる親玉であるバックス(ディオニューソス)が赤児の姿で現されている。 古代ギリシア以外の子供のサテュロスの中でずば抜けた例がアルブレヒト・デューラーの版画『音楽を奏でるサテュロス、ニュムペーと赤子』もしくは『サテュロスの家族』Musical Satyr and Nymph with Baby (Satyr's Family)(1505年)である 。 ロココ時代にもバックス祭(en:Bacchanalia)に参加する子供のサテュロスを描いた作品がみられる。中には女性の子連れサテュロスもいる。子供のサテュロスが積極的に祭に参加しているものもある。例えばジャン・ラウー(en:Jean Raoux, 1677-1735)の絵画『バッカンテに扮したプレヴォスト嬢』(Mlle Prévost as a Bacchante)ではオペラ座の踊子プレヴォスト嬢がバックス祭の中で踊り、子供のサテュロスがタンブリンを叩いている。 ヴィクトリア時代のナプキンリングには子供のサテュロスが樽の横に描かれ、子供のサテュロスがバックス祭に参加している姿が表されている。 子供のサテュロスは現代美術にも見られる。 子供のサテュロスではないかと推測されるものが、さまざまな地域の民話や現代の神話学に見られる。ギリシア趣向の大学祭(college parties)ではバックス風のキャラクターが現れるが、その中には子供のサテュロスも出てくる。
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