奇跡の着陸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 16:23 UTC 版)
「アメリカン航空96便貨物ドア破損事故」の記事における「奇跡の着陸」の解説
機長は推力を調整しながら機体を降下させ、デトロイト空港へのアプローチに入った。このとき、緊張が高まるコックピットへ客室乗務員の1人が「こちらの皆さんもお困りですかぁ?」と滑稽に訊きながら顔を出したため、機長たちは笑い、「はいはい、問題はありますよ」と返し、乗客に対して普段通りの落ち着いた口調でアナウンスを行えたため、コックピット、客席とも緊張が和らいだという。 ところが着陸のためにギアを降ろし、フラップを出したところ降下率が上がってしまったため、機長は通常より進入速度を上げて降下率を押さえながら突っ込むように滑走路へ進入した。機長は機首を上げようとしたが、副操縦士と2人がかりで操縦輪を引かなければならなかった。19時44分車輪が滑走路に接地、機長が逆噴射装置を作動させたが、機体が右へそれて滑走路からはみ出したため、右側の第3エンジンを停止させた。すると機首は左へ向き、無事滑走路上で停止した。 機長は直ちに脱出を指示し、客室の乗員乗客は30秒で脱出した。軽傷者はいたが、重傷者や死者は出なかった。 国家運輸安全委員会 (NTSB) は、事故報告書で困難な操縦を成功させた機長らコックピット・クルーと、冷静に緊急事態に対処した客室乗務員たちに対して賛辞を述べている。
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