太陽光発電の特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 07:38 UTC 版)
「パワーコンディショナー」の記事における「太陽光発電の特性」の解説
太陽電池モジュールの出力特性を理解することは、トータル発電量を知る上で重要である。太陽光発電では、日射量によって発電量が変化することを理解されたい。 1.天候による日射量の変化 太陽電池モジュールの出力電力(W)は、日射量1000W/平方メートル、エアマス1.5、気温25℃での瞬時電力を表している。日射量1000W/平方メートルとは、日本に於ける快晴時の日射量である。快晴とは雲ひとつない青空の状態である。エアマス1.5とは、正午に太陽光が太陽電池モジュールへに垂直に入射する条件である。気温25℃は標準状態で、結晶系太陽電池の場合、気温が50℃上昇すると、出力が20%程度低下するという特性がある。瞬時出力というのは、太陽電池モジュールが日射を受けると、電力に変換できるのは、精々25%程度で、殆どが熱になり、太陽電池の表面温度を上げてしまうためである。 従い、実際の太陽電池モジュールが使用される環境では、ほんの一瞬(数十秒)しか公称出力(カタログ上の出力)は得られない。実際に出力として取り出せる電力は、天候(晴れ・曇り・雨)や気温によって大きく左右される。例えば、快晴時の日射量を100%とした時、晴れの日で80%程度、曇りの日は30%程度、雨の日は10%程度となり、発電電力もこれに準ずる。(天候は日射量ではなく全雲量によって定義されているため、快晴以外の定義は難しい) 2.一日の日射角の変化 トラッキングシステム(太陽追尾式)を除いて、太陽電池モジュールは定置に定角度、定方向で設置される。当然ながら太陽光の入射角は時間と伴に変化する。例えば、真南に設置された太陽電池モジュールであれば、その発電量は天候の影響を除けば、サインカーブになる。厳密には、空気による拡散の影響(エアマス)によって、入射角の低い位置ほど発電量は減る。 3.年間の日射角の変化 これは太陽電池モジュールの設置角度や設置場所の緯度によっても異なるが、一般的には年間を通じての発電量(kWh)が最も多くなる設置角度(東京であれば30度付近)で固定する。住宅屋根は基本、瓦に沿わせる。このような一般的な設置では、太陽光の入射角が季節によって変化する。毎月の発電量も変化する。
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