夜霧よ今夜も有難う (曲)
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「夜霧よ今夜も有難う」 | ||||
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石原裕次郎 の シングル | ||||
初出アルバム『男の歌声 第7集』 | ||||
B面 | 粋な別れ
恋の町札幌(2005年盤CDシングル)[1] |
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リリース | ||||
ジャンル | 歌謡曲 | |||
時間 | ||||
レーベル | テイチクレコード | |||
作詞・作曲 | 浜口庫之助 | |||
石原裕次郎 シングル 年表 | ||||
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『夜霧よ今夜も有難う』(よぎりよこんやもありがとう)は石原裕次郎のシングル。1967年2月にテイチクレコードから発売された。この曲は多くの歌手によってカバーされている。
背景
表題曲『夜霧よ今夜も有難う』が作られるきっかけとなったのは、1966年に石原が映画『黒部の太陽』撮影中の事故により負傷し[2]、リハビリのため山中湖畔のゴルフ場でキャディと2人だけでホールを回っていた際の出来事だった。偶然その日、作曲家の浜口庫之助が甲府市の「青少年を育くむ会」の歌を作ってほしいとの依頼を受け、同ゴルフ場で山梨県警察本部の本部長と公正取引委員会の知人と三人でゴルフをしており、その際に石原に気づいて浜口が声をかけたことから一緒にプレイすることになった[3]。石原は翌年の5月にリサイタルで全国を回る予定があり、その為に曲を作ってほしいとゴルフの後で一杯呑みながら話し合っている時に「先生、何か良い曲を書いてくれませんか。税金がガッポリきたんで、それを払うために全国を歌って歩くことにしたんです。お願いします。」と依頼した[4]。浜口は「そりゃ大変だなあ。僕でよかったらやってみよう」と言って別れたあと、東京へ帰ってすぐに曲作りに取り掛かった。構想とタイトルが浮かんだ時点で石原に話したところ非常に喜んだため、短時間で「夜霧よ今夜も有難う」と「粋な別れ」の2曲が出来上がったという[3]。曲は大ヒットし、「夜霧よ今夜も有難う」は石原の代表曲となった。
浜口は著書『ハマクラの音楽いろいろ』(朝日新聞社)の中で、「あの2曲は、当時僕の見た裕次郎映画のどこかのシーンから想像して作ったもの。裏町の飲み屋を舞台に、レインコートの襟を立てて登場する裕次郎を描写した。」と述べている[3]。
こうして映画化するのに相応しい楽曲が誕生したことで、この曲を主題歌として石原主演で企画された映画が、1967年公開で本作と同じタイトルの日活映画『夜霧よ今夜も有難う』である[3]。
イントロのサックス演奏は松浦ヤスノブが担当している[4]。
B面曲「粋な別れ」に因んで石原主演で制作され、1967年8月に公開された映画が『波止場の鷹』である[5]。「粋な別れ」は同映画の主題歌として使用され、「夜霧よ今夜も有難う」に続き多くのファンから支持された[6]。
収録曲
- A面
- 夜霧よ今夜も有難う(3分42秒)
- B面
- 粋な別れ(3分22秒)
カバーした歌手
- 五木ひろし
- 井上陽水
- カバー・アルバム『UNITED COVER 2』(2015年)[8]
- 岩城滉一
- 金児憲史
- 加山雄三
- 木村好夫とザ・ビアーズ
- カバー・アルバム『木村好夫 ムード歌謡』(2010年)[12]
- 島津ゆたか
- ダイアモンド☆ユカイ
- 舘ひろし
- カバー・アルバム『HIROSHI TACHI sings YUJIRO』(2012年)[15]
- ちあきなおみ
- 中条きよし
- 中森明菜
- ビリー諸川と缶蹴り仲間
- 舟木一夫
- フランク永井
- 美空ひばり
- 八代亜紀
- 山内惠介
- アルバム『夢の慕情』(2012年)[24]
- 由紀さおり
- カバー・アルバム『VOICE II』(2015年)[25]
- 吉田拓郎
脚注
出典
- ^ “定番ベスト シングル::夜霧よ今夜も有難う/恋の町札幌:石原裕次郎”. HMV&BOOKS online. Lawson Entertainment, Inc.. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “年譜”. 石原裕次郎オンライン記念館. 石原音楽出版社. 2025年4月6日閲覧。
- ^ a b c d “石原裕次郎に頼まれて浜口庫之助が作った「夜霧よ今夜も有難う」|TAP the SONG”. TAP the POP. 2025年4月6日閲覧。
- ^ a b “生誕90年!石原裕次郎・昭和太陽伝説「嵐を呼ぶ男」「夜霧よ今夜も有難う」「わが人生に悔いなし」今だから聴きたい、裕次郎ソングベスト15”. 婦人公論.jp. 中央公論新社. 2025年4月6日閲覧。
- ^ “年譜”. 波止場の鷹. 日活. 2025年7月12日閲覧。
- ^ “浜口庫之助が選んだ人生への思いが込められていた石原裕次郎の「粋な別れ」|TAP the SONG”. TAP the POP. 2025年7月12日閲覧。
- ^ “五木ひろし / わが心の港歌”. CDJournal. 音楽出版社. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “井上陽水のカヴァー・アルバム『UNITED COVER』の第2弾”. TOWER RECORDS ONLINE (タワーレコード). (2015年6月19日) 2025年4月28日閲覧。
- ^ “岩城滉一 / 岩城滉一ファーストアルバム~あいつと俺のブルース《スターライブラリーシリーズ(13)》 [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月28日閲覧。
- ^ “『21世紀の石原裕次郎』金児憲史、名曲「夜霧よ-」で歌手デビュー まき子さんが歌声絶賛”. ORICON STYLE (株式会社oricon ME). (2018年6月26日) 2025年4月28日閲覧。
- ^ “若大将50年!”. DREAMUSIC. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “木村好夫とザ・ビアーズ/木村好夫 ムード歌謡 ベスト”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “島津ゆたか 黄昏のビギン K28A-354”. snow records. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “ダイアモンド☆ユカイによる究極のカバーアルバム、7月25日リリース決定!”. Warner Music Japan (2012年6月23日). 2025年4月28日閲覧。
- ^ “舘ひろし、石原裕次郎の名曲で時空を超えたコラボ「(裕次郎さんに)お前下手だなぁ、と言われそう」”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2012年8月9日) 2025年4月28日閲覧。
- ^ “ちあきなおみ、テイチク在籍時のアルバム3タイトルが復刻!”. CDジャーナル (音楽出版社). (2011年9月9日) 2025年4月28日閲覧。
- ^ “中条きよし – 深夜劇場 – Vinyl (LP, Album, Stereo), 1975”. Discogs. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “中森明菜 / 歌姫3~終幕”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “ビリー諸川と缶蹴り仲間 / ナ.ガ.シ.マ”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月28日閲覧。
- ^ “舟木一夫 思い出アルバム(CD):商品カテゴリー|舟木一夫”. コロムビアミュージックショップ. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “フランク永井|琵琶湖周航の歌”. ビクターエンタテインメント. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “美空ひばり - 私と貴方の小さなスナック”. レコードシティ. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “石原裕次郎 / 八代亜紀 – 二人の旅路 – Vinyl (LP, Album), 1974”. Discogs. 2025年4月29日閲覧。
- ^ “山内惠介 / 夢の慕情”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月28日閲覧。
- ^ “由紀さおり / VOICE 2 [デジパック仕様]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月28日閲覧。
- ^ “吉田拓郎 / ぷらいべえと [紙ジャケット仕様]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2025年4月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
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