多様体上の微積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 03:09 UTC 版)
多変数の微分積分学のテクニックの多くもまた、自然な修正を加えて、可微分多様体に適用する。例えば多様体の接ベクトルに沿った微分可能関数の方向微分を定義でき、これは関数の全微分を一般化する手段、微分、に導く。微積分学の観点から、多様体上の関数の微分は少なくとも局所的(英語版)にはユークリッド空間上定義された関数の通常の微分と多くは同じように振る舞う。例えばそのような関数に対して陰関数定理や逆関数定理のバージョンが存在する。 しかしながら、ベクトル場(および一般にテンソル場)の微積分においては重要な違いがある。手短に言えば、ベクトル場の方向微分は well-defined でなく、あるいは少なくとも直截的な方法では定義されない。ベクトル場(やテンソル場)の微分のいくつかの一般化は確かに存在し、ユークリッド空間での微分のいくつかの形式的な性質を捉える。主なものは: リー微分、これは微分構造によって一意的に定義されるが、方向微分の通常の性質のいくつかは満たされない。 アフィン接続、これは一意的には定義されないが、通常の方向微分の性質をより完全に一般化する。アフィン接続は一意でないので、それは多様体上特定されなければならない追加のデータである。 積分法からのアイデアも可微分多様体に持ちこされる。これらは外微分法 と微分形式のことばで自然に表現される。多変数の積分の基本的な定理 — すなわちグリーンの定理、発散定理、ストークスの定理 — は外微分と部分多様体上の積分を関連付ける定理(これもストークスの定理と呼ばれる)に一般化する。
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