多様体上の点のヒルベルトスキーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/26 17:23 UTC 版)
「ヒルベルトスキーム」の記事における「多様体上の点のヒルベルトスキーム」の解説
ヒルベルトスキームは、スキーム上の 0-次元の部分スキームの穴のあいたヒルベルトスキーム(punctual Hilbert scheme)と呼ばれることがある。非公式には、このことは、いくつかの点が重なるときに非常に間違った理解を生み出すのであるが、スキームの上の点の有限個の集合のようなものを想定することができる。 任意の0-次元スキームを関連する 0-サイクルと取ることにより、点の被約なヒルベルトスキームからサイクルの周多様体へのヒルベルト・周の射(Hilbert-Chow morphism)が存在する。(Fogarty 1968, 1969, 1973). M 上の n 個の点のヒルベルトスキーム M[n] は、M の n-重対称積への自然な射を持っている。この射は最大 2 次元の M に対して双有理であり、最大 3 次元の M に対して、大きな n に対して双有理ではない。一般に、ヒルベルトスキームは可約で、対称積の次元より非常に大きな次元の要素を持っている。 曲線 C (次元が 1 である複素多様体)上の点のヒルベルトスキームは、C の対称べき(英語版)(symmetric power)に同型である。 曲面上の n 個の点のヒルベルトスキームも、滑らかである (Grothendieck)。n = 2 であれば、対角をブローアップすることにより、つまり、(x, y) ↦ (y, x) により引き起こされた Z/2Z で割ることにより、M × M が得られる。マーク・ハイマン(英語版)(Mark Haiman)による方法は、あるマクドナルド多項式(英語版)(Macdonald polynomial)の係数の正値性の証明に使われた。 次元が 3 以上の滑らかな多様体のヒルベルトスキームは、通常は滑らかではない。
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