地球上での極小型ブラックホール生成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 14:31 UTC 版)
「ブラックホール」の記事における「地球上での極小型ブラックホール生成」の解説
以下のように地球上で極小型ブラックホールが生成された、あるいは生成される可能性があるとする論があるが、2018年現在、客観的かつ広く合意を得た報告はない。 2008年運転開始の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で、極小のビッグバン再現実験が予定されていたが、その過程で極小型ブラックホールが生成される可能性を懸念する声もあった。余剰次元理論に基づく計算によれば、LHCの衝突エネルギー(7TeV)で極小ブラックホールの生成が不可能ではないとされ、余剰次元理論の検証ができる可能性があると期待された。但し、これは理論中のパラメータが観測から許される限界ぎりぎりの値である場合の結果であり、より穏当なパラメータの場合は(たとえ理論が正しかったとしても)この程度のエネルギーではブラックホールの生成は起こらない。余剰次元モデルが正しくなければブラックホールは生成しないが、仮に生成した場合、ホーキング輻射によってブラックホールは直ちに蒸発すると考えられた。CERNは「宇宙線の中にはLHCよりもエネルギーが格段に高い陽子が存在し、大気の分子と衝突して様々な粒子を生み出している。もし本当にLHCでブラックホールが生成できるなら宇宙線によってもミニブラックホールが大気圏内で生成されているはずだ。にもかかわらず、地球はブラックホールに呑み込まれていない」とコメントした。 詳細は「ブレーンワールド」、「超弦理論#宇宙論への応用」、および「Dブレーン#ブレーンワールド宇宙論」を参照 1999年にMario RabinowitzはAstrophysics and Space Science誌において、球電現象を原始ブラックホールを用いて説明する説を提示した。 2009年10月、大阪大学・中国・韓国で構成する国際共同研究チームが高出力レーザーを用いて、ブラックホールとされる天体の周辺で実際に観測されているデータとほぼ同じ光電離プラズマを実験室で発生させることに成功した。研究チームは「将来的にブラックホールそのものを生成できる可能性が高まった」としている。
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