地球上からの観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 06:49 UTC 版)
「NEOWISE彗星 (C/2020 F3)」の記事における「地球上からの観測」の解説
2020年の前半にはすでにATLAS彗星 (C/2019 Y4)とSWAN彗星 (C/2020 F8)の2つの彗星が太陽に接近し、明るい彗星になることが期待されたが、共に近日点通過前に核が崩壊し、それほど明るくなることはなかった。それに対して、これらの彗星の後に太陽に接近したC/2020 F3は近日点通過後も核の崩壊が発生せず、長い尾を伴う巨大な彗星となり、多くの天体観測者を魅了させた。その尾の大きさからC/2020 F3は、メディアなどでは1997年に観測された大彗星であるヘール・ボップ彗星と対比されることもある。 発見当時の見かけの等級は17等級だったが、6月頃には眼視等級まで達した。C/2020 F3は2020年7月3日(日本時間では7月4日)に近日点を通過したが、彗星接近前はこのころのC/2020 F3の見かけの等級は最大でも約3等級程度と予想されていた。しかし、C/2020 F3は近日点通過直前から予想以上の増光を起こし、6月末にはC/2020 F3は0〜1等級程度にまで明るくなり、夜明け前の空の低い位置に尾をなびく様子が肉眼でも観測された。近日点通過直後には彗星のダストテイル(塵の尾)の長さは地球上から見ると約6度に達し、また淡い青色のイオンテイル(イオンの尾)も観測されている。日本国内でも、沖縄県の石垣島天文台を始め、広い地域で尾をなびく姿が観測されている。 7月中旬からはC/2020 F3は日没前の北西の空に見えるようになり、7月23日に地球から約1億300万 kmの距離まで最接近する。その後、7月下旬にかけてC/2020 F3は暗くなっていき、8月下旬には肉眼で観測することができなくなると予想されている。
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