地勢と国境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/11 14:41 UTC 版)
「アラブ首長国連邦の地理」の記事における「地勢と国境」の解説
アラブ首長国連邦(以下UAE)にはペルシャ湾の南岸約650kmにわたり海岸線をもつ。最大の天然港はドバイにあるが、現在はアブダビやシャールジャでも浚渫された港湾が使用されている。ペルシャ湾の島々は長らくイランやカタールなど周辺諸国との領土係争の対象になっており、また小島や珊瑚礁が多く強い海流と天候の影響も受けるUAE沿岸は、航海がしにくい海域となっている。 一方オマーン湾側にも90kmの海岸線をもち、バティナ海岸として知られている。標高2500mに及ぶハジャル山脈がバティナ海岸とUAEの東側を隔てるようにあり、山脈はオマーンとUAEの国境付近からペルシャ湾岸にかけて横たわっている。山脈は海岸の近くにまで接近しており、山麓がそのまま海岸につながっている場所が多い。そのため港湾は少ないが、いくつか小規模な港は存在する。また山脈が海岸から離れているフジャイラの周辺では砂浜となっている。これらのUAE北東部の首長国は「オマーン湾砂漠及び準砂漠」というエコリージョン区分に属している。 アブダビ南西部は広大な砂丘となっており、サウジアラビア南部を中心とするルブアルハリ砂漠の一部となっている。この砂丘地帯には2つの重要なオアシスがあり、定住と耕作に必要な地下水も備えている。ひとつはサウジアラビア国境付近にあるリワ・オアシスで100kmあまりにわたって大小のオアシスが点在している。もうひとつはブライミ・オアシスで、オマーンとの国境に跨るようにオアシスが広がっている。 UAE内の各首長国の国境は、1971年に英国から独立する際の障壁になる可能性が高いことから、独立以前に英国が確定させていた。各首長国はこの英国の干渉について大部分は受け入れたものの、アブダビとドバイの国境やドバイとシャールジャの国境の一部では独立後まで国境画定が遅れた場所もある。国内でもっとも国境が複雑となっているのは首長国西部のハジャル山脈周辺で、管轄権の奪い合いの結果5つの首長国がそれぞれいくつもの飛び地を抱える状態となっている。 国内は砂漠が大半を占めているため、淡水の入手が難しい。そのためUAEでは海水淡水化装置を使用することによって淡水を得ている。
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