国境駅としての特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/18 14:19 UTC 版)
「バーゼル・バディッシャー駅」の記事における「国境駅としての特徴」の解説
バディッシャー駅はスイスの領内にあるが、バーデン大公国とスイスが締結した協定により、駅構内はドイツの関税領域に含まれる。ドイツ国内を移動している旅行者がバディッシャー駅を乗換駅として利用する場合は、ドイツの関税領域を離れずに済む。司法の管轄権やドイツの軍人が個人的に旅行していてこの駅を利用する場合など、様々な点に関してスイスとドイツの当局が駅構内と走行中の列車に対してどのような権限を持っているかが協定で定められている。 旅客輸送の面では、ドイツ国内の駅との間の移動はドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の駅同士の移動と同じように扱われる。一方でスイス国内の駅との間の移動では、スイスの賃率が適用される。バディッシャー駅は、北西スイス乗車券連合(TNW: Tarifverbunds Nordwestschweiz)の運賃ゾーン10に属しており、またレーラッハ地域交通連合(RVL: Regio Verkehrsverbunds Lörrach)の運賃ゾーン8に属している。 2008年12月12日にスイスがシェンゲン協定に加盟するまで、駅に出入りする旅行者の出入国管理と税関検査はホールと番線の間で行われていた。国際列車では列車内で行われていた。このため、バーゼルSBB駅からヴィーゼンタル鉄道のリーヘン駅(Bahnhof Riehen)へ向かう旅行者は、スイス国内の移動にも関わらずパスポートの提示を求められていた。スイスのシェンゲン協定加盟に伴い、パスポートの常時の検査は廃止され、関税徴収のために検査することがあるだけである。 駅はスイス国内に位置しているが、ドイツ鉄道によって営業されている。旅行代理店や窓口ではユーロ建てで値段が計算されているが、スイスフランでも支払いは可能である。自動券売機でドイツのクレジットカードを利用すると、海外加算金が発生することがある。ドイツ鉄道によってスイス国内で運営されている駅はこの他に隣接するリーヘン駅と、シャフハウゼン州にあるホッホライン線の区間がある。駅構内の様々な売店では、商品をユーロでもスイスフランでも購入することができるが、書店ではたとえドイツの新聞や雑誌・本を買う時であっても、より高いスイスの値段に換算して払わなければならない。 非常に長いプラットホーム1と2(2番線から5番線)は、かつては南側のスイス側と北側のドイツ側に分割されていた。到着列車は、一旦これから出国する側の国のプラットホームに停車して税関の検査を受けた後に、入国する側の国のプラットホームに移動して機関車交換をしていた。現在でも、かつてスイス国内を移動する旅行者が駅のスイス側の地域に出入りするのに使っていた、バーゼルの町と駅前広場に通じる出口のある地下道が駅の南側に存在している。この地下通路は現在はプラットホーム間の乗換通路としてのみ利用されているが、バーゼル・ムスターメッセへ向かう客を乗せたスイスの臨時列車が到着した際には町への出口が開放される。 駅の北側には、かつてのドイツ連邦鉄道、現在のドイツ鉄道の操車場設備があるが、南側は既にバーデン貨物駅と同様に撤去されている。残っている部分は、港に接続しているクラインヒューニンゲン・ハーフェン(Kleinhüningen Hafen)駅までの短い盲腸線と共にスイス国内のローカル貨物輸送とコンテナターミナルとして利用されている。スイスとドイツの国境線はこの駅の中を通っている。 バディッシャー駅構内にはスイスの警察署がある。逮捕された犯罪者はパトカーで正面玄関まで連れて来られて、メインホールを通ってこの警察署に連行される。 これに加えて、バディッシャー駅はドイツ鉄道のスイス領内の鉄道路線に対する代表およびドイツ連邦共和国の領事部が置かれている。また、スイスの郵便局も置かれている。
※この「国境駅としての特徴」の解説は、「バーゼル・バディッシャー駅」の解説の一部です。
「国境駅としての特徴」を含む「バーゼル・バディッシャー駅」の記事については、「バーゼル・バディッシャー駅」の概要を参照ください。
- 国境駅としての特徴のページへのリンク