回路法則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 23:22 UTC 版)
磁気回路は電気回路の法則に似た他の法則にしたがう。例えば、 R 1 , R 2 , … {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {R}}_{1},\ {\mathcal {R}}_{2},\ \dots } が直列に並んだ総リラクタンス R T {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {R}}_{T}} は R T = R 1 + R 2 + ⋯ {\displaystyle {\mathcal {R}}_{T}={\mathcal {R}}_{1}+{\mathcal {R}}_{2}+\cdots } となる。これはアンペールの法則にもしたがい、抵抗を直列に追加するキルヒホッフの電圧法則に似ている。さらに、任意のノードへの磁束の合計 Φ 1 , Φ 2 , … {\displaystyle \scriptstyle \Phi _{1},\ \Phi _{2},\ \dots } は常に0である。 Φ 1 + Φ 2 + ⋯ = 0 {\displaystyle \Phi _{1}+\Phi _{2}+\cdots =0} これはガウスの法則に基づいており、電気回路を解析するために使われるキルヒホッフの電流法則に似ている。 上記3つの法則は電気回路と同様の手法で磁気回路を解析するための完全なシステムを形成する。2種類の回路を比較すると次のことが分かる。 抵抗 R に相当するのはリラクタンス R m {\displaystyle \scriptstyle {\mathcal {R}}_{m}} である。 電流 I に相当するのは磁束 Φ である。 電圧 V に相当するのは起磁力 F である。 純粋なソース/抵抗回路にキルヒホッフの電圧法則 (KVL)と磁気的に等価なものを適用することにより、各分岐の磁束について磁気回路を解くことができる。具体的にはKVLはループに印加される電圧励起がループ周囲の電圧降下(抵抗と電流の積)の合計に等しいと述べているのに対し、磁気的な類似は起磁力(アンペア回数励起から得られる)がループの残りの部分における起磁力降下(磁束とリラクタンスの積)の合計に等しいと述べている(複数のループがある場合、ループ解析でメッシュ回路の分岐電流の行列解が得られるのと同様に各分岐の電流が行列方程式により解くことができる。この後個々の分岐電流は、採用している符号の規約とループの向きによる示しにより構成ループ電流を加算および/または減算することにより得られる)。アンペールの法則により、励起は電流と作られた完全なループの数の積であり、アンペア回数で測定される。より一般的にいうと F = N I = ∮ H → ⋅ d l → {\displaystyle F=N\,I=\oint {\vec {H}}\cdot \operatorname {d} {\vec {l}}} (ストークスの定理によると外形周りのH·dlの閉じた線積分は、閉じた外形に囲まれた表面全体のcurl H·dAの開いた面積分に等しいことに注意。マクスウェル方程式からcurl H = Jなので、H·dlの閉じた線積分は表面を通過する電流の合計に評価される。これは表面を通過する電流も測定する励起NIに等しく、これにより表面を流れる正味の電流がエネルギーを保存する閉じた系で0アンペア回数であることを確認する。) 磁束が単純なループに限られないもっと複雑な磁気システムは、マクスウェル方程式を使用して第一原理から解析する必要がある。
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