回路設計の各技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 10:17 UTC 版)
「半導体の低消費電力技術」の記事における「回路設計の各技術」の解説
以下に具体的な半導体の低消費電力技術を示す。これらの技術の名称は多くが開発した各半導体メーカーが独自に付けた名前であり、必ずしも業界公認の統一された名称とは限らない。似た技術が異なった名前で語られることもある。各メーカーの営業・マーケティング活動に使用されることもある。各名称の後には通常「xxx技術」が付く。 基板バイアス制御(substrate bias control) 基板バイアス制御は、回路へのクロック入力やチップごとの最適Vthのばらつきをモニター回路によって検出して、PチャンネルとNチャンネルのそれぞれ最適の基板バイアスを可変レギュレータから供給する。 適応型電圧制御 (Adaptive voltage scaling、AVS) コンディショナル・フリップフロップ フリップフロップへ新たなデータを設定する前に、すでにあるデータと比較して同じならフリップフロップにはクロックを加えない。 リーク遮断SRAM SRAMセルの待機保持の間は、接地電位を高めてリーク電流を削減する。 ランタイム・パワー・ゲーティング 動作していない演算回路セルの電源を数μ秒という短時間でON/OFFし、電源供給を遮断する。 クロック・ゲーティング 動作していない演算回路セルのクロックを短時間でも供給遮断する。 パワー・ゲーティング クロック・ゲーティングしている演算回路セルの電源を遮断し、リーク電流を削減する。 マルチVth 1つのダイ上で高速回路はしきい値電圧(Threshold voltage、Vth)を低く、低速でもいい回路は高く、中間速度の回路では中間の電圧にする。これにより高速回路はリーク電流が高いままでも、中速、低速回路部分はリーク電流が少なくて済む。 アダプティブ・ボディ・バイアス ABB(Adaptive body bias)では、内部のCMOSトランジスタのソース、ドレイン、ゲートの他に、通常は接地されている基板にも端子を付けて電圧を制御することでリーク電流を制御する。 不揮発性レジスタ 通常のレジスタに強誘電体キャパシタを加えることで、記録を保持しながら当面の動作が不要となったチップや回路ブロック単位で電源を完全に遮断でき、電源の回復後にすぐに動作が期待できる。
※この「回路設計の各技術」の解説は、「半導体の低消費電力技術」の解説の一部です。
「回路設計の各技術」を含む「半導体の低消費電力技術」の記事については、「半導体の低消費電力技術」の概要を参照ください。
- 回路設計の各技術のページへのリンク