囃しの意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 05:54 UTC 版)
囃しとして歌われる「マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ」は八重山方言の古語で「また逢いましょう、美しき人よ」の意である。「サー ユイユイ」は調子を合わせる合いの手であり、特に意味はない。 この囃しがインドネシア語で「太陽は我らを等しく愛する」の意味である等の説もある。これは「matahari cinta kami semua」あるいは「matahari mencintai kami sama」など、音が近いインドネシア語を当てはめるて文章が作れるためと思われる。また、インドネシアバリ島のバリ語では、「マタハリヌ」が「太陽の島」という意味になる。しかし、発祥地である竹富島で謡われている安里屋ユンタの囃し部分は「ハーリヌ チンダラチンダラヨ」と唄うと女性が「マタ ハーリヌ チンダラチンダラヨ」と返句する形になっており、「matahari (太陽) 」を一語と考えるのは、区切りを間違った異分析である。また、主に石垣島で謡われる謡い方に強く影響されていると考えられ、信憑性に欠ける。 竹富町教育委員会発行の『竹富町古謡集』、崎山三郎著『竹富島工工四』、上勢頭亨著『竹富島誌 別冊 竹富町古謡集1〜5巻』などに竹富島本来の安里屋ユンタの記載があり、上記のインドネシア説と対応する囃しとは異なっている。「竹富島の安里屋ユンタ」は国の重要無形民俗文化財に指定されている「竹富島の種子取」の舞踊曲の一つであり、この芸能の解説等は崎山三郎による『竹富島工工四』に基づいて全文が文化庁に提出されている。 他方、「マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ」の謡い方で記載されている古謡集として石垣字会発行『石垣村古謡集』、登野城ユンタ保存会発行 『登野城村古謡集』などがあるが、いずれも石垣島の古謡集である。よって、インドネシア語説は発祥の地の伝統的な謡い方を知らずに、似た音の語から想像した俗説である。
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