商業大学が日本において必要な理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 01:56 UTC 版)
「堀光亀」の記事における「商業大学が日本において必要な理由」の解説
経済状態の発展に伴う必要性鎖国経済時代の名残がないとは言えない。しかし、わが日本帝国は今や世界経済の一員となり国威の発揚はいよいよ経済活動の範囲を拡大するに至っている。その時にあたり、深遠な学識と教養を有する人材の育成を必要とするところは論を待たない。その人材育成機関として商業大学を設立することが必要である。 — 堀光亀、 商工立国を国是とするが故の必要性狭土の我が国は商工業をもって国是としているが、商工業を率いる者はそれが伸縮力の大なるだけに伸縮自在な頭脳を持つのではない。特に工業において工業技師のみで充分としてしまうのは大いなる誤りである。現今の工業は手工業ではなく世界的競争の渦中にあり、大経営の下にこれを行う企業である。技師の必要性は言うまでもないが、統御の才能ある企業者なしには殖産はなしえない。 — 堀光亀、 先進欧米諸国との地理的距離から生じる不利を補う必要性既に商工業の発展を遂げた欧米諸国ですら、商業大学の設立は早急の課題である。ましてや欧米の事情に疎い我が国にとって、欧米流に商工業を経営することを目的とする最高教育機関が必要であるのは言うまでもない。 — 堀光亀、 商人の品格を高め、賤商の弊害を取り除く必要性現今国家の幸福を増進するのに最も必要なのは商人の職務であり、商人がその本分及び地位を自覚し自重するに至るには、最高商業教育の力に俟つほかはない。 — 堀光亀、 人物、経済上の利益による必要性我が国の商家に生まれた者は、将来商業に身を委ねる境遇にありながら、単に大学の名に誘われ、世間が二流と称する高等商業に学ぶことを欲せず、大学に商科がないが故に法科を選択することの矛盾を感じない。卒業の後、商業に従事すれば法科で習得した学識を十分に適用する道はなく、商務に暗く商機を弁えず、人物経済の損害これより大きいものはない。 — 堀光亀、
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