商号の選定の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:52 UTC 版)
会社及び外国会社を除く商人の商号 商号の選定に関する立法主義には、営業の実態と合致したものに限るとする商号真実主義もあるが、日本の商法は会社及び外国会社を除く商人について、原則として、その氏、氏名その他の名称をもって自由に商号を付けることができるものとして商号自由主義を採用する(商号選択の自由。商法11条1項、旧商法16条)。 会社の商号 会社法は、会社について、その名称が商号であるとしており(会社法6条1項、旧商法17条、旧有限会社法3条第1項)、逆に会社でない者は商号に会社であることを示す文字を使用することができない(会社法7条、旧商法18条)。また、会社は、その種類に従い、商号中に株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の文字を用いなければならない(会社法6条、旧商法17条、旧有限会社法3条第1項)。 持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、退社した社員は、その名称の使用をやめることを請求できる(会社法613条)。 各種業法などに定める名称の使用 銀行、労働金庫、信用金庫、保険会社、信託会社、無尽会社、農業協同組合、漁業協同組合、事業協同組合、消費生活協同組合など特にその信用維持を確保すべきものとして法律で定められている一定の業種については、商号や名称の中に「銀行」、「労働金庫」、「信用金庫」などそれぞれの業種を示す文字を使用しなければならないものとされている(銀行法6条1項、労働金庫法8条1項、信用金庫法6条1項、保険業法7条1項、信託業法14条1項、無尽業法4条1項、農業協同組合法4条1項、水産業協同組合法3条1項、中小企業等協同組合法6条1項、消費生活協同組合法3条1項)。他方で、これらの業種にない者はその名称や商号に「銀行」や「労働金庫」などの文字を用いることを禁じられている(銀行法6条2項、労働金庫法8条2項、信用金庫法6条2項、保険業法7条2項、信託業法14条2項、無尽業法4条2項、農業協同組合法4条2項、水産業協同組合法3条2項、中小企業等協同組合法6条2項、消費生活協同組合法3条2項など)。 また、「日本銀行」など特定の法人に限って独占使用が認められている特定の名称については、その名称の使用が認められている法人以外の者がその文字を用いることはできない(日本銀行法13条、日本電信電話株式会社等に関する法律8条、日本たばこ産業株式会社法4条、成田国際空港株式会社法4条、株式会社日本政策金融公庫法5条1項など)。
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