哨戒ヘリコプターの艦載化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 03:42 UTC 版)
「艦載ヘリコプター」の記事における「哨戒ヘリコプターの艦載化」の解説
大戦後もヘリコプターの開発は継続されたものの、潜水艦の捜索・攻撃の双方を担当する場合、当時の技術ではかなり大型の機体にならざるをえなかったことから、しばらくは、艦載機というよりは対潜空母などの艦上機としての運用が主体となっていた。その後、カナダ海軍では、空母「マグニフィセント」の退役に伴う艦隊航空戦力の低下を補うため、ヘリコプターの艦載運用を志向するようになり、1956年10月にはプレストニアン級フリゲート(英語版)(旧英リバー級)「バッキンガム」に仮設したヘリコプター甲板でホワールウィンドHO4Sの運用試験に成功、ベアトラップ着艦拘束装置も開発されて、1961年より、サン・ローラン級駆逐艦にシーキングを搭載する改修に着手した。 イギリス海軍でも、下記のように小型機の艦載化を志向する一方で、大型のカウンティ級駆逐艦では大型のウェセックスを搭載し、1962年より運用を開始した。また1965年から1972年にかけて、タイガー級巡洋艦がヘリコプター巡洋艦として改修され、ウェセックス4機を搭載した。フランス海軍でも、防空巡洋艦「コルベール」をタイプシップとして「ジャンヌ・ダルク」を建造し、1964年より運用を開始したが、大型の艦型にも関わらず、平時の搭載機はアルエットIIとされた。 イタリア海軍も、シーキング3機の搭載・運用を計画してアンドレア・ドーリア級巡洋艦を建造し、1964年より就役させたものの、実際には航空艤装が適合せず、より小型のAB-204ASとなった。その後、海上自衛隊が1973年に就役させたはるな型護衛艦ではシーキング3機の搭載・運用が実現したが、これは駆逐艦級の艦艇としては世界唯一の例であった。
※この「哨戒ヘリコプターの艦載化」の解説は、「艦載ヘリコプター」の解説の一部です。
「哨戒ヘリコプターの艦載化」を含む「艦載ヘリコプター」の記事については、「艦載ヘリコプター」の概要を参照ください。
- 哨戒ヘリコプターの艦載化のページへのリンク