周辺諸国との接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 05:52 UTC 版)
ウクライナ鉄道は、周辺7カ国の鉄道と連結している。その内、旧ソビエト連邦構成共和国であったベラルーシ、モルドヴァ、ロシア連邦の鉄道とは同じ軌間であるが、他の4カ国とは異なっており、直通列車運行の課題となっている。その内、ポーランドへは軌間変更用の路線が使用されている。 ウクライナ鉄道の連結する各国の鉄道 軌間1524 mmの鉄道ベラルーシ鉄道(ベラルーシ) モルドヴァ鉄道(モルドヴァ) ロシア鉄道(ロシア連邦) 鉄道企業体カーゴ・スロバキア(スロバキア) ※路線はスロバキア国鉄。東部スロバキアに2路線、総延長99km 軌間1435 mmの鉄道鉄道企業体カーゴ・スロバキア(スロバキア)※路線はスロバキア国鉄。 ハンガリー国鉄(ハンガリー) ポーランド国鉄(ポーランド) ルーマニア鉄道(ルーマニア) 現在、ウクライナの鉄道にとって最重要課題となっているのは、こうした周辺国鉄道との連結である。つまり、ポーランド、スロヴァキア、ハンガリー、ルーマニアといった周辺国では1435 mmの標準軌が主流となっているが、ウクライナ鉄道の軌間は1524 mmであり、そうしたヨーロッパの鉄道と直結するには国内の軌間を狭めなければならないのである。現在、ウクライナと周辺各国との国境では、列車の越境に際しては機関車の交換と客車・貨車の台車の交換が行われている。これにより、特に所要時間の観点において列車輸送の利点が大きく損なわれている。ウクライナ全国の軌間を狭めるのは非現実的な課題であるので、この問題の解決のためポーランドとの国境ではSUW2000というフリーゲージ客車が導入されている。しかし、その運用は1路線に留まっている。 この他、老朽化した鉄道設備の更新も必須の課題となっている。一部の駅は、政府や外国の支援により補修・近代化工事を完了しているが、少数派に留まっている。また、長距離列車は航空機より運賃が断然安いこともあり広い乗客層から一定の需要があるが、その高速化が課題となっている。キーウ・モスクワ間の国際夜行列車には従来の運行列車より大幅に所要時間を短縮した高速列車が導入され人気を博しているが、1日1往復に留まっている。この他、高速運行用の機関車や130 km/h運転に対応する通勤型電車も開発・導入されている。しかしながら、ウクライナ鉄道で運行されている列車の多くはソ連時代の古い低速な車両であり、整備はよくされているものの、経年数からして車両の老朽化は否めない。
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