同意権付与の審判を受けた被補助人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 14:41 UTC 版)
「行為能力」の記事における「同意権付与の審判を受けた被補助人」の解説
被補助人とは精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者として、補助開始の審判を受けた者のことをいう(15条1項)。被補助人には補助人が付されるが、本人には一定程度の判断能力があることに鑑み、家庭裁判所による補助開始の審判には本人の同意が必要とされる。また、補助開始の審判には必ず併せて17条第1項の審判(同意権付与の審判)あるいは876条の9の審判(代理権付与の審判)の一方又は双方の審判がなされる。 被補助人のうち制限行為能力者とされるのは、補助開始の審判とともに同意権付与の審判を受けた者(同意権付与の審判とともに代理権付与の審判も受けている者を含む)を指し、同意権付与の審判を受けず代理権付与の審判のみを受けている被補助人は制限行為能力者ではない(20条1項の定義参照)。 同意権付与の審判を受けた被補助人は、家庭裁判所の審判により定められた13条1項に列挙されている行為の一部の法律行為について補助人の同意を要する(17条)。補助人の同意を要するとされた法律行為を被補助人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可を得ずに行った場合は、当該法律行為を取り消すことが出来る。 「成年後見制度#補助」も参照 なお、代理権付与の審判のみを受けている被補助人については「成年後見制度」の項の「補助」を参照のこと。 以上の制限行為能力者の種類による違いをまとめると、下表のようになる。 種類要件能力の範囲保護者保護者の権能行為の効果未成年者 18歳未満の者(4条) 特定の行為(5条1項ただし書き・3項、6条)だけ単独で為すことができる 法定代理人-親権者・未成年後見人(5条1項) 同意権・代理権 同意を得ないでした行為は取り消すことができる(5条2項) 成年被後見人 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあって家庭裁判所の審判を受けた者(7条、8条) 単独にできる行為は原則としてない(日用品の購入その他日常生活に関する行為のみ単独で可能、9条ただし書き参照) 法定代理人-成年後見人(8条) 代理権のみ 常に取り消すことができる(9条) 被保佐人 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者で家庭裁判所の審判を受けた者(11条、12条) 特定の行為(13条1項2項)だけ単独でできない(日用品の購入その他日常生活に関する行為は指定不可) 保佐人(12条) 原則は同意権。代理権付与の審判があれば代理権(876条の4第1項) 同意又はこれに代わる許可を得ないでした行為は取り消すことができる(13条4項) 被補助人 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者で家庭裁判所の審判を受けた者(15条、16条) 13条に掲げられた行為のうち補助人の同意を要する旨の審判を受けた特定の行為だけ単独でできない(17条1項)(日用品の購入その他日常生活に関する行為の指定不可) 補助人(16条) 同意権。代理権付与の審判があれば代理権(876条の9第1項) 同意又はこれに代わる許可を得ないでした行為は取り消すことができる(17条4項)
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