同加工方法の用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/18 14:06 UTC 版)
金属加工などでしばしば用いられ、こと応力の掛かる機械要素などでは、この削り出し部品が見られる。軽金属(アルミニウムなど)合金の部品では素材自体が切削しやすいこともあるが、半面鋳造で均一としにくい部分がある。また鋳物でも、精密加工が必要な部分は切削整形される。レシプロエンジンなど内燃機関のシリンダーは、特に内径サイズが厳密かつ滑らかである必要があるため、切削加工される。 ファインセラミックスなど20世紀末頃より産業規模で注目され始めた新素材では、焼結前に整形しても焼結後に求めるとおりの形状にならないため、精密さが求められる部分で切削加工されうる。 このほか、ナイフなどの刃物では、鍛造によるものと、「ストックアンドリムーバル」と呼ばれる素材から形状を削りだす手法の2種類がある。ことストックアンドリムーバルでは個人ナイフメーカーに於いては鍛造よりも量生に向き、ステンレススチール製カスタムナイフのほとんどはストックアンドリムーバル製法で大まかな形を素材から削りだして浸炭・焼入れが行われる。 時計など精密機械でも産業の黎明期より時計職人が部品を一つ一つ削り出しで製作していたが、今日でも高級ブランドの腕時計を中心に削り出し部品が利用される。これは部品精度を極めて高く維持することが可能なためである。ただ、大衆向けの安価な製品(廉価版)では、エンジニアリングプラスチックのような高性能で加工性の優れる素材もあり、大量生産の安価な製品では「そこそこの性能」がこの新素材でも可能なため、最上の機械式時計と、安価な量産時計の二極化的な住み分けも発生している。
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