各国の軽減税率の区分と問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 16:07 UTC 版)
「軽減税率」の記事における「各国の軽減税率の区分と問題」の解説
欧州諸国では多くの国で消費税に軽減税率が導入されている。しかし、税制の専門家などでは欧州諸国の軽減税率は失敗の経験として、軽減税率導入は否定的に捉えられている。 欧州諸国における軽減税率は、経済困窮者への配慮などといった福祉政策的な観点によって作られた制度ではない。1960年頃の欧州では分野により税制が大きく異なるものが多数あり、それらの統一を図ろうとしたものの各所からの抵抗や反発の結果、政治的妥協として消費税に複数の税率が適応される事態となったことがその経緯だ。 2015年、EU加盟国28カ国中21カ国で軽減税率が適用されている。区分けや税率は各国で違いがある。例えば、カナダでは「ドーナツ5個以内」は「外食」とみなし消費税6%を課税し、「ドーナツ6個以上」は「その場では食べられない」とみなされ「食料品」となり、消費税は非課税となる(2013年1月時点)。ドイツではハンバーガーを食べる場所により変わり、店内で食べると「外食」とみなし消費税19%を課税し、「テイクアウト」にすると「食料品」とみなし、消費税を7%に減税している(2013年1月時点)。 なお、日本で、マクドナルドやバーガーキング、ケンタッキー・フライド・チキン、牛丼の松屋・すき家などのファストフードでは、税込同額の設定をしている例がある。同様の制度は、フランスやスペインにおいても見られる。 欧米諸国では各業界団体が軽減税率の適用を求める問題や軽減税率導入によって税収が減り、社会保障費を賄うためには予算不足なために将来的な基本消費税率が高くなっている。 日本では、軽減税率制度の導入に向けて国税庁が個別の対応事例を作成している。それによれば、例えば、「アルコール1%以上のみりん」は酒税法で規定する「酒類」に該当するので軽減税率の対象外であるが、アルコール1%未満の「"みりん風"調味料」は飲食料品になるため、軽減税率が適用される。
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