吃音者宣言とは? わかりやすく解説

吃音者宣言(全文)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/05 04:05 UTC 版)

言友会」の記事における「吃音者宣言(全文)」の解説

私たちは、長い間、どもりを隠し続けてきた。「どもりは悪いもの、劣ったもの」という社会通念の中で、どもりを嘆き恐れ、人にどもりであることを知られたくない一心口を開くことを避けてきた。「どもりは努力すれば治るもの、治すべきもの」と考えられ、「どもらずに話したい」という、吃音者切実な願いの中で、ある人は職を捨て、生活を犠牲にしてまでさまざまな治す試みに人生をかけた。しかし、どもりを治そうとする努力は、古今東西治療家・研究者教育者などの協力にもかかわらず充分にむくわれることはなかった。それどころか、自らのことばに嫌悪し、自らの存在への不信を生み、深い悩みの淵へと落ちこんで行ったまた、いつか治るという期待と、どもりさえ治ればすべてが解決するという自分自身への甘えから、私たち人生出発たびだち)を遅らせてきた。私たち知っている。どもりを治すことに執着するあまり悩み深めている吃音者がいることを。その一方どもりながら明るく前向きに生きている吃音者多くいる事実を。そして、言友会10年活動の中からも、明るくよりよく生きる吃音者育ってきた。全国仲間たち、どもりだからと自身さげすむことはやめよう。どもりが治ってからの人生夢見るより、人として責務怠っている自分恥じよう。そして、どもりだからと自分可能性閉ざしている硬い殻を打ち破ろう。その第1歩として、私たちはまず自らが吃音者であることを、また、どもりを持ったままの生き方確立することを、社会にも自らにも宣言することを決意した。どもりで悩んできた私たちは、人に受け入れられないことのつらさを知っているすべての人が尊敬され個性能力発揮して生きることのできる社会実現こそ私たち願いである。そして、私たちこれまでの苦しみ過去のものとして忘れ去ることなくよりよい社会実現するために活かしていきたい。吃音者宣言、それは、どもりながらたくましく生きすべての人びと連帯してこうとい私たち吃音者叫びであり、願いであり、自らへの決意である。私たち今こそ私たち吃音者であることをここに宣言する。 (全国言友会連絡協議会 昭和51年5月1日 言友会創立10周年記念大会にて採択

※この「吃音者宣言(全文)」の解説は、「言友会」の解説の一部です。
「吃音者宣言(全文)」を含む「言友会」の記事については、「言友会」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「吃音者宣言」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「吃音者宣言」の関連用語

吃音者宣言のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



吃音者宣言のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの言友会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS