吃音者宣言を巡って
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1976年、言友会創立10周年記念大会で採択された。吃音の確たる治療法が見つかっていない中で、吃音を持ったままの生き方を説いた「宣言」の精神に共感が寄せられた反面、「治すこと」を重視する会員や臨床研究家の中には、「治すことを否定している」「治らないと言っている」という解釈からとまどいの声も聞かれた。言友会の内外で多くの議論を呼びながらも、その精神は次第に浸透していった。全言連主催の全国大会(ワークショップ)のテーマも、狭い意味の「吃音」だけではなく、アサーション、論理療法、交流分析、生きがい療法など、多彩なものになっていった。 一般社団法人東京言友会、NPO法人千葉言友会の様に吃音者個人それぞれの「吃音者宣言」を持てばよいと「基本的な考え方」に吃音者宣言を織り込まなかった言友会もあるなど、必ずしも各言友会の会則等に明記されているわけではないが、各地言友会の活動の根底には、吃音者宣言の「どもりを治してから○○しよう」ではなく「どもりを持ったまま」という基本姿勢がある。その上にたって様々な考えの吃音者を包括しながら活動している。 吃音者宣言をめぐっては、現在でも「治すことを否定するのか」「吃りは治らないのか」というその本来の趣旨からはずれた議論となることも多い。個人個人で受け止め方には差があることは事実であり、そこには各人の生き方が反映されていると言えるかも知れない。
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