台湾の書籍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:31 UTC 版)
党国体制下の台湾では戒厳令が敷かれ、1947年に始まる白色テロの時代には政府に批判的な書籍、台湾独立を主張する書籍などは検閲の対象であった。有名なものとしては史明による『台湾人四百年史』、蒋経国を批判したことで江南暗殺事件(中国語版)を引き起こした『蒋経国伝』などがある。 台湾が白色テロの時代は香港で出版された書籍が台湾の禁書が香港に流れたりした時期もあった。 2021年現在、中国大陸で出版できない台湾の書籍は多数にのぼり、国共内戦を壮大なスケールで描いた龍應台による『台湾海峡一九四九』は中国大陸側では発禁処分を受けている。また、中国民主活動家の著作が台湾で出版されており、天安門事件学生リーダーの王丹の『中華人民共和國史十五講(二版)』、『王丹.獄中回憶錄』、人権活動家である劉暁波の『我沒有敵人』、『統一就是奴役:劉曉波論臺灣、香港及西藏』などが台湾の会社から出版されている。このうち、2016年に発売された『統一就是奴役』は、中国の民主活動家の側から香港独立と台湾独立、チベット独立論に触れたことで話題となった。 2010年代以前までは、中国大陸で発禁処分を受けた本だけが台湾で流通される傾向があったが、中国共産党から香港への締め付けが強くなるにつれて、香港本土派の書籍も台湾で発売されるようになってきている。2020年5月には銅鑼湾書店が台北で新装開店した。香港本土派の論者として知られる徐承恩は『城邦舊事──十二本書看香港本土史』(日本語未翻訳)といった著作を香港の出版社から発売していたが、『香港,鬱躁的家邦:本土觀點的香港源流史』、『思索家邦:中國殖民主義狂潮下的香港』(いずれも2019年発売)は台湾に拠点を移しての出版となった。 諸夏主義を主張する劉仲敬の書籍も台湾の出版社から発売されている。
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