古伝空手(古流空手)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 00:28 UTC 版)
伝統派空手のうち、競技化、スポーツ化を志向せず、古伝(古流)の空手スタイルを重視する。特徴としては、伝統的な型稽古や組手稽古、沖縄古来の鍛錬法の重視、武器術の併伝などを挙げることができる。沖縄空手とほぼ同義で使われることもあるが、沖縄空手の中でも、特に糸洲安恒による空手近代化以前のスタイルを指して使われることもある。 古伝空手(唐手)もしくは古流空手(唐手)という用語自体は、比較的最近のものである。1990年代以降、伝統派空手の内部から空手の近代化に批判的な論客(柳川昌弘、新垣清、宇城憲治など)が現れ、彼らの著作がベストセラーになるようになった。特に2000年以降、甲野善紀らによる古武術ブームの影響もあり、古伝(古流)空手への回帰論は空手言論界に大きな影響を及ぼした。こうした研究者のすべてが古伝(古流)を標榜しているわけではないが、近代空手と一線を画する論調が相互作用して一つの潮流を形成している。 古伝(古流)空手では、型の再評価や型分解の見直し、また競技化される以前の組手にあった技法――急所攻撃、取手(関節技、投げ技)等――の探究、さらには「気」、丹田といった東洋的な概念の再評価が行われている。 古伝(古流)空手の流派には、湖城流、本部流、心道流などがある。他に沖縄本島の松林流喜舎場塾、日本本土の空手道今野塾、清心館大久保道場(全日本清心会)などの古流稽古スタイルの会派・道場がある。
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