参加型開発
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従来の開発プロジェクト(慈善型開発と技術移転型開発)においては、プロジェクトの受益者である地域住民の意見や意を超えたところでプロジェクトが計画されて実行される傾向にあった。しかしながら、そうしたプロジェクトは住民のニーズを十分把握できないために実効性に欠けたり、住民自身の自覚が高まらずに持続性が乏しい、などの問題があった。参加型開発はこうした問題点を克服すべく1980年代の後半より提唱された開発の新しいアプローチである。 OECDの開発援助委員会は1989年に「1990年代の開発協力」を発表し、今後の開発協力を主導する理念として「参加型開発(Participatory Development)」を提唱した。参加型開発とは、開発の受益層自身が開発の意志決定プロセスに参加すること、そしてより公平にその恩恵を受けることが含まれる。これは民主的なシステムの確立と公平な分配を保証する概念でもある。従って、この場合の参加は強者の参加ではなく「弱者」の参加である。弱者とは都市のエリートに対する農村の住民、男性に対する女性、大人に対する子ども、支配民族に対する少数民族や先住民族などである。 参加型開発においては、住民自身のエンパワーメントが重要であり、住民がエンパワーしていく手法・アプローチとしてPRAやPLAと呼ばれる方法が提唱されて実施されている。
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