占い
『宇治拾遺物語』巻1-8 父親が易占いをして、「自分の死後10年を経て娘は貧しくなる」との運命を知る。父親は、その時に役立てるため千両を隠し、娘に「10年後に宿を借りに訪れる旅人から、千両を得よ」と言い残す。10年後に訪れた旅人もまた易をする人で、彼は娘の訴えを聞き、千両の隠し場所を占い出して、娘に与えた。
『荘子』「徐無鬼篇」第24 相人がある人の子の相を見て「一国の君主と同じ御馳走を食べて生涯を送るだろう」と占い、それを聞いた父親は悲しむ。果して、その子は旅中盗賊につかまり、足の筋を切られて斉国の屠殺人街に売られ、君主同様に肉を食べて生涯を終わる。
『英草紙』第8篇「白水翁が売卜直言奇を示す話」 神社のほとりで占いをする白水翁に、茅渟官平という侍が八卦を見てもらう。白水翁が「貴君は今夜の三更に死ぬ」と占うので、官平は怒って帰る。しかし占いは的中し、その夜、官平は寝間を飛び出して橋上から川へ身を投げ、死ぬ→〔死因〕2b。
★2.多くの人の目前に迫った危難を、人相や手相から読み取る。
『今昔物語集』巻24-21 僧登照が朱雀門の前を通ると、門の下で休む人々に、死相があらわれていた。「たとえ悪人が来て殺すにしても、こんなに多くの人を一時には殺せまい。もしや、門が倒れるのではあるまいか」と登照は察知し、人々に「逃げよ」と警告した。まもなく、風も吹かず地震もないのに朱雀門は倒れた。
『サザエさん』(長谷川町子)朝日文庫版・第12巻67ページ 辻の易者が、通りかかる人々の手相を見て、皆に水難の相があるので「ハテ」と首をかしげる。まもなく雨が降り出し、皆あわてて駆け出す。易者も店じまいして雨を避ける。
*多くの人の目前に迫った危難を、脈拍から読み取る→〔波〕7の『耳袋』(根岸鎮衛)巻之5「道三神脈の事」。
★3.銭占い。
『聊斎志異』巻8-324「銭卜巫」 不運続きの男が28歳の時、巫女に銭占いをしてもらった。巫女は百銭を木筒に入れて揺すり、1枚ずつ手に受けて卓上に並べる。字のある面は凶で、裏面が吉なのだが、58枚目まで、すべて字のある面が出た。巫女は「父上の悪行の報いの禍(わざわい)がまだ尽きず、あなたは今その残りを受けている。58歳で、あなた自身の運と出遇うだろう」と言う。占いどおり、男は58歳を過ぎて裕福になり、80歳の長寿を保った。
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