南奥羽の水祝儀
名称: | 南奥羽の水祝儀 |
ふりがな: | みなみおううのみずしゅうぎ |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | |
選択年月日: | 1990.03.09(平成2.03.09) |
都道府県(列記): | 宮城,福島 |
市区町村(列記): | |
代表都道府県: | 宮城県 |
備考: | 所在地が二都道府県以上にわたるもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | わが国では、花婿・花嫁に水を掛けて祝福するという習慣が、婚姻の儀礼として、また正月行事などとして各地で行われてきた。この習慣はすでに中世に行われていたことが推定されているが、少なくとも近世の江戸や京都をはじめ、地方でも盛んに行われていたことが多くの記録に残されている。いずれも、新婚者を祝福すると同時に、社会的承認を与えるための一種の通過儀礼として行われるものである。 また、水を掛けるという行為を通して、新婚者の祓いを行い、水の呪力によって子宝や安産を祈願し、さらに、防火に関する呪術的効果をも加味した儀礼とされている。しかし、今日では婚礼の前後に行われるものは、ほぼ消滅してしまい、正月行事として行われるものも青年たちの「婿いじめ」の傾向が過激になるなどの弊害により、行事として儀礼的に整ったものがわずかに命脈を保っているにすぎない。 奥羽地方南部の宮城・福島両県には、水祝儀と呼ばれて、主として正月に行われるものが全国的に見て濃厚に分布している。伝承地は、宮城県では宮崎町小泉、角田市尾山など、福島県ではいわき市沼之内、三春町西方などである。いずれも講組織や青年会などが主体になって、正月行事の一環として行われてきたもので、前年に結婚した者を対象に、祝いの盃事や水を浴せる行事が道祖神信仰、愛宕信仰などの要素を複合しながら存続されている。わが国の伝統的な婚姻観や社会組織の在り方を知る上で重要なものであり、記録保存の措置を講ずるものである。 |
風俗習慣のほかの用語一覧
人生・儀礼: | 伊豆・駿河の水祝い 南奥羽の水祝儀 山陰の大凧揚げ習俗 庄内のモリ供養の習俗 戸沢のねじ行事 早尾のスッキョン行事 春日の婿押し |
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