山陰の大凧揚げ習俗
名称: | 山陰の大凧揚げ習俗 |
ふりがな: | さんいんのおおだこあげしゅうぞく |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | |
選択年月日: | 1994.12.13(平成6.12.13) |
都道府県(列記): | 鳥取,島根 |
市区町村(列記): | |
代表都道府県: | 鳥取県 |
備考: | 所在地が二都道府県以上にわたるもの(このデータは種別1から移行しています) |
解説文: | 凧は東アジアおよび東南アジアに伝播の中心をもつ遊具とされ、世界の各地に広く分布している。しかし、凧はまた単なる遊具にとどまらず、それぞれの地域の伝統的な行事や生活習俗のなかで重要な位置を占めている。 わが国の凧揚げの習俗は、江戸時代の中期以降に広く盛行し、その後は正月の風物詩として親しまれてきたが、各地には正月以外の季節に凧揚げをする例が多く、むしろこのほうが本来の姿ではなかったかと考えられる。このなかで、五月の端午の節供に子供の初誕生を祝って大きな凧を揚げる習俗が、わが国の各地にみられる。この習俗は子供の成長祈願を主とするもので、周囲の人々が力を合わせて祝うことが多く、また地域によっては、いわゆる凧合戦とよばれる競技の要素を伴うことが知られている。 山陰地方でも、男子の出生祝いとして大凧を揚げる習俗が広くみられた。島根県には、周囲にいくつかのくりこみをつけた「いぐり凧」(えぐり凧)があり、現在も毎年凧揚げ大会が開かれている地域がある。隠岐にもこのいぐり凧は伝承され現在もみられるが、武者の絵を描いているところから「みしや凧」とよぶこともある。隠岐島後【どうご】ではこれまでの記録的な大凧は、一二畳の大きさであった。現在は、二畳未満くらいの大きさが一般的である。また、いぐり凧のもう一つの特徴として、凧の上部につけた藤【とう】製の弦【つる】の唸【うな】りである。この弦音の大きさも競いあう対象になっている。 鳥取県下でも、かつては西伯郡大山町【だいせんちよう】を中心に、二畳ないし六畳の大凧を作り、凧合戦をしたことが報告されている。 以上のように、これらの地域は伝統的な習俗をよく残しており、大凧揚げの習俗や製作技術等について、記録作成等の措置を講ずるものである。 |
人生・儀礼: | 伊豆・駿河の水祝い 南奥羽の水祝儀 山陰の大凧揚げ習俗 庄内のモリ供養の習俗 戸沢のねじ行事 早尾のスッキョン行事 春日の婿押し |
- 山陰の大凧揚げ習俗のページへのリンク