北相馬藩
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「風の市兵衛シリーズの登場人物」の記事における「北相馬藩」の解説
中村 因幡守 季承(なかむら いなばのかみ としつぐ) 藩主。43歳。手形の乱発や作之助の殺害は、季承と正室桝の方の許可の下に行なわれた。また、藩邸内で半十郎と市兵衛を討ち取ることを筧に命じた。半十郎らをなかなか討ち取れず、逆に死者・負傷者が続出しているという報告を聞くと、卒中で倒れてしまう。命は取り留めたが寝たきりとなり、その後は家督を憲承に譲って麻布の中屋敷に移った。 桝の方(ますのかた) ご主殿。43歳。本人に浪費癖があり、また将軍家公女としての体裁を整えるために藩邸を豪華に改装する必要もあり、藩の財政が逼迫して手形の乱発につながった。横暴な性格で、家臣や侍女たちに恐れられている。今回の事件は幕府の知るところとなったが、桝の方の出自が考慮され、中村家が厳しく咎められることはなかった。桝の方本人は徳承院となって、寝たきりとなった季承と共に中屋敷に移った。 中村 憲承(なかむら のりつぐ) 世嗣。18歳。父と違って暗愚ではなく、事件後に家督を継ぐと、急遽出府した国家老の補佐を受けながら人臣を一新させ、事件の詳細を調べさせた。そして、責任者に相応の処分を行なうと共に、事件で死傷した者の家に見舞金を贈ることを決めた。その中にはもちろん中江家も含まれている。 鶴姫(つるひめ) 憲承に輿入れした磐城藩安藤家3万石の藩主の養女。出自は漆原忠悦の娘咲(さき)であり、漆原が拠出した多額の持参金により、北相馬藩の財政が一息つくこととなった。憲承が跡目を継ぐと、ご簾中舞の方となり上屋敷に移った。 筧 帯刀(かけい たてわき) 江戸家老。51,2歳。藩財政の逼迫から、手形の乱発を主導した。作之助から手形乱発の不正が行なわれていることを聞かされると、調査を約束して一時町屋住まいをさせ、実際にはその間に対策を練って鶴姫輿入れにこぎ着けた。しかし、作之助が帳簿を持ち出したことが分ると上屋敷に呼び出してだまし討ちにした。 半十郎と市兵衛が上屋敷に乗り込んでくると、これを討ち取ろうとしたが、二人の反撃によって多くの家臣を失った上、自分も市兵衛が投げつけた長鑓で負傷してしまう。そして、その傷が元で5日後に息を引き取った。その後、新藩主憲承により筧家は改易となる。 小池 辰五(こいけ たつご) 江戸留守居役。筧の取り巻きの一人で、帳簿の中身を知った半十郎と市兵衛の息の根を止めるため、祇円と修策に暗殺を依頼する。 事件後は、改易は免れたものの、他の筧の取り巻き重役と共に切腹を申しつけられた。 上林 源一郎(かんばやし げんいちろう) 作之助の幼馴染みで、かつて半十郎の道場で剣術を学んだ。足軽の家に生まれ育ったが、剣の腕を見込まれて番方見廻り役組頭に出世した。38歳。 筧の命により作之助の討手に加わった。また、半十郎と市兵衛を討ち取る手勢にも加わって半十郎を斬ったが、かつて半十郎が危惧していたとおり踏み込みが甘くて殺害に至らず、半十郎の逆襲により絶命する。 平次(へいじ) 中間。小池と本所の徳五郎店に潜伏した作之助との連絡係となった。作之助が殺された後、祇円と修策に帳簿のありかを尋ねられ、知らないと答えて殺された。
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