北朝鮮の食糧難(きたちょうせんのしょくりょうなん)
北朝鮮では、6年以上にわたる飢餓状態が続いている。中でも、朝鮮北東部が慢性的な食糧難に陥っている。
また1995年には水害がおこり、田んぼなどが流された。この結果、1996年~97年は、かつてないほどの飢餓が発生したということである。このことについて、世界食糧計画 (WFP) の広報では「北朝鮮の飢餓発生率は世界でも最悪水準」と発表している。
北朝鮮は山がちで、しかも赤土が多くて土壌がやせている。また山地では耕運機のような農業用具を使うことができない。
これらの理由から、穀物生産にはもともと不向きな土壌である。このため、第2次大戦後は、不足分の穀物をソ連など東側諸国から輸入していた。ところがソ連は崩壊し、北朝鮮は穀物の調達事情が厳しくなっている。
一般的に、貿易をして食料を輸入するにはドルなどの「外貨」が必要である。しかし北朝鮮の場合、これまでは東側諸国とのバーター取引 (物々交換) で食料を輸入していた。
今のところ、北朝鮮には有効な外貨獲得手段がないのが実情である。結果として、麻薬やミサイルなどが、外貨獲得のための輸出商品になっている。しかもこれが周りの国際社会の不評を買い、経済制裁を受けるという悪循環にもなっている。
結果として、現在の食糧難につながっている。このため、WFPなどの国際機関やNGOが北朝鮮にたびたび穀物援助を行っている。
(2000.10.09更新)
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