北九州市の先駆的取り組み(1989年)
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「フィルム・コミッション」の記事における「北九州市の先駆的取り組み(1989年)」の解説
福岡県北九州市は、「修羅の国」「公害の街」「灰色の街」「暴力の街」というマイナスのイメージに長年悩まされていた。 北九州市のイメージを向上させるため、同市では自治体としては全国に先駆けて「北九州市広報室イメージアップ班」を設置し、1989年から国内外の映画・テレビドラマ等の誘致・支援への取り組みを開始した。北九州市が、映像振興のために1989年から1999年までの11年間に要した経費(人件費を除く)は1億円程度であったが、誘致したテレビ番組は合計475本に達し、宣伝効果は52億円にも登った。 その後、北九州市は広報室イメージアップ班を拡充する形で、2000年9月に「北九州フィルム・コミッション」を設立した。フィルム・コミッションとしての組織設立は、後述の大阪の方が北九州市より若干早い2000年2月であったが、大阪でロケ誘致・支援の検討を具体的に開始したのは1998年頃である。そのため、フィルム・コミッションとしての活動実態は北九州市が大阪より約10年先行しており、様々なノウハウを蓄積している。現在では、映像関係者の間で「不可能を可能にするロケ地」として、真っ先に北九州市の名前が挙がるようになり、他の地域では困難な爆破シーンや道路封鎖シーンなどが撮影できる体制が構築されている。 一般的に、フィルム・コミッションの活動は観光振興を兼ねているため、地元PRの要素を入れることが多いが、北九州市は他の都市の代替としてのロケも多数受け入れている。北九州フィルム・コミッションの担当者は「声をかけていただいた仕事には全て協力する。東京の代わりとしてのロケ地でも大歓迎」と語っており、2017年までに撮影された通算200本のうち、約半数が東京の代替ロケ地である。一例として、TBSドラマ『MOZU Season1』(2014年)では、東京・銀座での爆破シーンという設定で、小倉の市街地で実際の爆破ロケが行われた。
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