勲章の製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 18:44 UTC 版)
日本の勲章は、すべて独立行政法人造幣局で製造されている。造幣局では章はい類の製造は1887年(明治20年)から、勲章や褒章等の製造は昭和初期から行っている。2007年(平成19年)度には、造幣局は内閣府賞勲局との間で締結した勲章製造請負契約に基づき27,436個の製造を行い、納品した。なお、勲章製造に携わる職人も造幣局職員であることから国家公務員の身分で扱われ、1970年(昭和45年)に40年に及ぶ勤務を表彰されて後輩職員が製造した勲六等瑞宝章を授与された田辺勝次郎の例がある。 勲章の製造工程は、おおむね10工程ほどからなっている。 極印(こくいん) : まず勲章の原図を基に「原版」をつくる。原版は石膏で実物の4〜5倍の大きさにつくりNC彫刻機で鋼材に原寸の勲章の模様を彫り、「極印」をつくる。できあがった極印は、模様を鮮明にするために修正する。 圧写 : 極印をプレス機(圧写機)に取り付けて、銀の材料板に勲章の模様をプレスする。プレスされた材料を抜き型で勲章の形に打ち抜き、章身とする。 切り抜き : 糸のこやワイヤーカット機で、形にそって切り抜く。 ヤスリ : 数種類のヤスリを用いて、章身の形状を整える。 七宝盛り付け : 七宝が入る部分に釉薬を盛り付ける。 七宝焼き付け : 電気炉に入れて釉薬を焼き付ける。七宝の盛り付けと焼き付けは5回ほど繰り返し、その間、ピンホールなどのキズを修正する。 羽布(ばふ) : 木綿布を束ねた「羽布」(ばふ)を回転させて研磨することにより、光沢を出す。 メッキ : 必要な部分に金メッキを加える。 組立 : 各種の部品を組み立てて完成。
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