動力ゴムの出力の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 08:56 UTC 版)
「模型飛行機用動力ゴム」の記事における「動力ゴムの出力の評価」の解説
現在の国際級ゴム動力機(F1B級)は、30gの動力ゴムを搭載する。機体の仕様は全重量230g、主翼面積16~17平方dmである。30gの動力ゴムは、前節の測定に依れば30kg-mのエネルギーを蓄積し、それを40秒間の上昇時間で出力するので、平均出力は、 30kg-m/40秒=0.75kg-m/秒=1/100馬力 但しバースト期(前出)の初期に限れば、その10倍の出力になるから、1/10馬力に相当する。この出力は、同じ大きさの模型飛行機に装備される通常のエンジンに匹敵する。但し、ゴム動力のプロペラはエンジン機に比べると直径が4~5倍あり、低回転で使用されるので効率は著しく高く、出発直後の推力はエンジン機よりも大きい。国際級ゴム動力機の馬力荷重(全重量/出力)は2kg/㏋程度で、第2次世界大戦終期のプロペラ戦闘機と同等である。 1950年当時の国際級ゴム動力機は、現在と同じ機体仕様であったが、現在と同じ5分程度の滞空を行うために、現在の5倍(150g)の動力ゴムを必要とした。当時のゴムは現在よりエネルギー蓄積力が小さく、現在のように限界まで巻き込まなかったため、出力は半分以下であったと推定される。他方、機体の空気力学的な効率は、技術の進歩とプラスティック系の新素材による強度の向上で、2倍くらい向上している。 出力と効率がそれぞれ2倍程度向上しているから、合わせて5倍くらいの性能向上が得られることになる。それぞれの進歩は現在も続いており、同級の出力(ゴム重量)の切り下げは今後も行われると予測されている。従って、模型飛行機の分野においては、ゴム動力は「強力な動力源」といえる。
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