力の夜とは? わかりやすく解説

力の夜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/16 00:54 UTC 版)

ヒラー山」の記事における「力の夜」の解説

ムハンマド言行録ハディースによればアラビア半島商業都市マッカクライシュ族ハーシム家生まれたムハンマドは、父を誕生前に、6歳のころ母も失い祖父アブドゥルムッタリブつづいて叔父アブー=ターリブ庇護のもと成長した成長後は他の一族の者たちと同様に商人となってシリアへの隊商交易従事した25歳の頃、クライシュ族出身富裕な女商人ハディージャ・ビント・フワイリドにその温和誠実な人柄認められ15歳年長未亡人であり彼の雇い主でもあった彼女と結婚したムハンマドハディージャとの間に2男4女をもうけたが、男子2人とも夭逝したという。 結婚後のムハンマドマッカ商人として不自由のない生活を送り、暇があるとマッカ郊外ヒラー山登り何日洞窟こもって瞑想したラマダーン月(第9月27日西暦610年8月19日)、40歳越えたムハンマドヒラー山瞑想ふけっていると、何者かによって身体締め付けられ、「読め」と命じられる体験をする。ムハンマドは「読めない」と3度答えるが、そのたび身体天使覆いかぶさり息苦しくなると放して読め」と命じる。それは、大天使ジブリールガブリエル)がムハンマド唯一神アッラーフ)の啓示を「読め」と命じたもの(クルアーン96凝結章」1節-5節)だった。 ムハンマド困惑し、何かに取り憑かれたのではないかという恐怖駆られたが、ハディージャによって長衣包まれ恐怖鎮まると、洞窟でのできごとハディージャ話したハディージャムハンマド励まし、彼女の従兄弟ネストリウス派キリスト教修道僧だったワラカ・イブン・ナウファルに相談したところ、ナウファルは、ムハンマドのように神の声聞いた者は、昔から何人かおり、イブラーヒームアブラハム)、ヌーフノア)、ムーサーモーセ)、イーサーイエス)など「預言者」と呼ばれる人びとは、同様の経験をしたことを教える。盲目であったナウファルはまた、ムハンマドのような体験をした者で周囲敵対されなかった者はいないと告げたその後、ナウファルは亡くなり、しばらく啓示途切れたが、再び神の啓示次々とムハンマド下された。 こうして預言者としての自覚目覚めたムハンマドは、ハディージャ従兄弟アリー・イブン・アビー=ターリブ養父アブー=ターリブの子でのちの第4代正統カリフ)など近親の者たち、友人アブー=バクル(のちの初代正統カリフ)などに、彼に下った啓示教え説いたイスラーム教はじまりである。 ムハンマドヒラー洞窟初め啓示受けた夜のことを、イスラーム教では「力の夜」(みいつの夜、ライラトゥ・ル・カドル)と呼んでいる。クルアーンには、「力の夜(みいつの夜)は、千月よりも優る」(第97「みいつ章」3節)と記されている。

※この「力の夜」の解説は、「ヒラー山」の解説の一部です。
「力の夜」を含む「ヒラー山」の記事については、「ヒラー山」の概要を参照ください。

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