列車検知・運行管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:56 UTC 版)
「自動案内軌条式旅客輸送システム」の記事における「列車検知・運行管理」の解説
列車検知は、従来の鉄道の軌道回路が使用できないため、列車検知装置(TD)を採用している。これは、列車からチェックインとチェックアウトの信号を受信するチェックイン・チェックアウト方式と、走行路に敷設された誘導ループ線により列車の位置を検知する方式の2つがある。誘導ループ線は自動列車制御装置 (ATC) の信号も流すことができるので、ATC/TD ループ線と呼ばれている。路線の閉塞には ATC が使用されているが、自動運転されている路線では、自動列車運転装置 (ATO) による無人運転で列車が運行されており、ATC を目標速度の設定及び保安確保のために使用している、この場合では、駅の手前や構内に ATO 地上子が軌道面に設置しており、停止目標までの距離を車上側の ATO 装置が認識して列車を停止目標で停止させるほか、正常な位置に列車が停車したことを列車が駅に送信することで、ドアの開閉の合図などの情報を駅側と列車側の間で双方向伝送を行いホームドアと列車のドアの開閉を行う。走行路の間には、車両と駅や中央指令所との間で情報を送受信するためのケーブルが入った、ATO データ伝送ループ線が設置されており、車両側の情報を駅や中央指令所に送るほか、中央指令所からの情報や緊急時の出発抑止などを車両側に送っている。 列車運行管理は、列車集中制御装置 (CTC) が設置され、コンピュータにより集中管理されている。中央指令所でコンピュータが列車の動きを把握し、列車ダイヤを基に自動制御するが、異常時には指令員の手動で制御できるようになっている。また、列車の運転制御や状態監視に使用する主要機器類は、装置の故障などで誤った運転情報を表示するなどで列車の運転に支障が出ないように、すべて多重系でフェールセーフ構造としており、安全を確保しているほか、電力・電路・信号保安・通信の各設備・自動運転などのシステムを統括して管理を行う総合管理システムからの各データを中央指令所に伝達することにより、列車の状態を監視して、必要に応じて的確な指示も出すことができる。
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