再飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 22:54 UTC 版)
詳細は「STS-94」を参照 打上前からミッション前半にかけて、地上の飛行管制官は、3つあるうちの2番目の燃料電池が、爆発につながりうる酸素と水素の制御不能な混合が始まっているのをモニターしていた。トラブルシューティングにも関わらず、状況はさらに悪くなっていった。飛行規則では、一度電圧の閾値を超えた燃料電池は停止しなければならない。また3つのうち2つの燃料電池のみが動いている状況は、別の飛行規則にも抵触し、早期にミッションを終了させる必要があった(2つ目の燃料電池が故障すると、深刻で危険な出力低下が生じるため、スペースシャトルは通常は2つの燃料電池で運用される)。ペイロードスペシャリストのグレゴリー・リンテリスは、このミッションを「危機管理の練習。メインのバスアラームはずっと鳴っていた」と語っている。 宇宙飛行士のクリス・ハドフィールドは、STS-83のCAPCOMを務めていた。彼は、ミッションを中止するというNASAの決定を、宇宙飛行士の安全を守るために飛行規則知識体系を適用した良い例として挙げ、「飛行規則の美点は、我々が難しい選択を迫られた時に明白になる。実際の時には、チャンスをつかむ誘惑は常に高い。しかし、飛行規則は明白であり、シャトルは地球に戻らなければならなかった」と語った。 着陸すると、ミッションマネージャーは、コロンビアは通常のミッション維持フロー通りに終了させる必要はないと判断した。その代わり、通常の処理(燃料タンクの補充、酸素や水素、窒素、水等のその他の消耗品の補充、メインエンジンSSMEの交換等)が終わると、前例のない再飛行を指示した。3か月後の1997年7月、同じ乗組員がSTS-94(当時利用可能な次の未使用のシャトル番号)と番号が付けられた再飛行を行った。ミッション記章は、外縁の色を赤から青に変え、番号を83から94に更新する変更が加えられた。
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