内部構造と生理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 00:38 UTC 版)
頭胸部に備わる脳は他の節足動物と同様に3つの脳神経節(前大脳・中大脳・後大脳)からなるが、軟甲類と六脚類に劣らないほどの特殊化が見られる。前部にあるはずの前大脳は上向きに180度ほど曲がり返し、中大脳の後上方に備わるようになる。眼を欠くことで視覚情報の入力はないためか、前大脳の中心体(central body)は相対的に小さい。第1触角に対応の中大脳は嗅神経(olfactory neuropils)が大きく発達して前へ突き出し、脳の大部分を占める。胴部の神経節は1体節に1対ずつ並んでいるという、節足動物として典型的なはしご形神経系を持つが、その神経細胞の配置は六脚類に似通う派生的な形質が見られる。消化管は分岐(消化腺、gut diverticulae)を持ち、1体節に左右1対ずつ並んでいる。呼吸色素として六脚類に似通うヘモシアニンを持つ。
※この「内部構造と生理学」の解説は、「ムカデエビ綱」の解説の一部です。
「内部構造と生理学」を含む「ムカデエビ綱」の記事については、「ムカデエビ綱」の概要を参照ください。
内部構造と生理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 06:11 UTC 版)
ウミグモの胴体の断面図A:眼丘、B:脳、CとD:鋏肢、E:吻の神経、F:咽頭、G:口、H:中腸、J:肛門 ウミグモの脚の断面図A:外骨格、CとD:消化管の枝、E:生殖腺 吻は筋肉質で、内側(咽頭)はフィルターらしき繊毛構造が並んでいるが、確実の機能は不明。消化管(中腸)は枝分かれして脚と鋏肢に入り込んで、多くの種類ではこれらの付属肢の先端近くまで伸びている。触肢と担卵肢ではこのような消化管の枝を欠く。生殖腺は体腔の背側に格納され、これも枝分かれして脚に入り込んでいる。雌の場合、卵巣は脚の腿節に格納される。他の節足動物と同様にはしご形神経系をもち、3つの脳神経節(それぞれ先節と第1-2体節由来の前大脳・中大脳・後大脳)を含んだ脳は食道を囲み、各脚に対応する腹神経索の神経節が体腔の腹面に走る。最終胴節の神経節の直後にあり、腹部由来と思われる退化的な神経節は幼生の段階で一時的に見られ、発育が進む度に胴節の神経節に吸収される。 ウミグモの多くの臓器は脚に格納されており、多くの生理的活動も脚が荷う。鰓など独立した呼吸器官はなく、脚の多孔質な外骨格を通じて直接にガス交換を行う(皮膚呼吸)。胴部にある細い心臓の脈動で流される血リンパは、脚の基部にしか届かない。そのため、脚にある大部分の血リンパと酸素を胴部に行き渡して全身の血液循環を果たすには、脚に入り込んだ消化管の枝が波打つるように、順調よく伸縮して血リンパを流動させるという独特な方法で行う。ウミグモのこのような脚と消化管の枝は、それぞれ鰓と心臓のような機能をしているとも形容される。また、生殖口と生殖腺は脚にあるため、産卵と放精も脚を通じて行う。
※この「内部構造と生理学」の解説は、「ウミグモ綱」の解説の一部です。
「内部構造と生理学」を含む「ウミグモ綱」の記事については、「ウミグモ綱」の概要を参照ください。
- 内部構造と生理学のページへのリンク