公安条例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:07 UTC 版)
「公安条例」も参照 GHQは労働組合や左翼勢力が救援の名目で政治的煽動や治安の悪化を起こすことを警戒し、監視を行うとともに、日本共産党勢力への規制を県に要請した。1948年6月度の福井軍政部から第8軍へのGHQ内部向け月例報告では、在日朝鮮人連盟が県当局の救助活動の一環と称して旗を立てて偽の救援活動を始めていること、朝鮮人による救援物資の盗難の疑いがあって捜査中であることが報告された。当時のGHQ福井軍政部長ジェームズ・F・ハイランド (James F. Hyland) 司令官は、特に反共姿勢が強く、労働組合や左翼勢力を排除して治安の維持を図るとの名目で、7月7日に福井市において「災害時公安維持に関する条例」を、福井県においては7月16日に「震災臨時措置条例」を、全国に先駆けて公安条例として制定させた。 本条例は扇動的な言動や不確実な情報の流布を禁じるもので、これにより、救援に入った学生らが警察当局に相次いで拘束された。共産党系の弁護士布施辰治と東京都議会議員岩田英一は福井に到着して間もなく拘束され、県外追放を命じられた。公安条例制定以前に福井に到着していた作家中野重治らも自宅に連れ戻された。自宅に押送された中野はこれを憲法違反であるとして訴えたが、10月に福井地方裁判所は棄却した。恐らくこの件が理由でハイランドは1948年8月に福井軍政部長を解任され、福井県の条例は1948年11月に、福井市の条例は1949年7月に廃止された。
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