八種以外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 18:22 UTC 版)
索餅(さくべい) 小麦粉を捏ねて茹でたもの。奈良時代までに伝えられた。和名は麦縄(むぎなわ)で、かなり太いものだったと考えられる。延喜式によると平安京で市販されていたと言える。うどん、そうめんの原型と言えなくもない。 煎餅(せんべい) 小麦粉や米の粉をこねて薄く成形し、油で焼いたもの。奈良時代までに伝えられた。現在の煎餅のもと。 糫餅(かんべい/和名:まがり) 小麦粉をこねて成形し、油で揚げたもの。奈良時代から名称が見られる。『和名類聚抄』には藤の蔓(つる)のようであると記載されている。奈良の春日大社・京都の上賀茂神社、下賀茂神社の神饌(しんせん)として存在し、現在は糯米粉(もちごめこ)に蜜を加えて捏(こ)ね、腕輪形にして油で揚げて作られる。 餢飳(ぶと) 俗に伏菟・伏兎とも書かれた。小麦粉を捏ね油で焼いた、ないし揚げたもの。奈良市に現存する「ぶと饅頭」は、小麦粉に卵などを加え捏ねたドーナツ風の生地で餡を包んだ、あんドーナツ風の菓子。また、同じく奈良に存在する「火打焼」は、ぶとを模した餡入りの餅菓子である。 粔籹(きょじょ/こめ) 『和名類聚抄』には"粔籹は巨女(きょじょ)の二音、和名はおこしごめ、蜜を穀物に加え焼いて作られる"とある。いまは、糯米(もちごめ)の糒(ほしい)や粟(あわ)に砂糖・水飴をからめて固められたものが「おこし」と呼ばれている。 餅餤(へいだん) ガチョウやカモの煮卵、野菜などを餅(へい:小麦粉製)で包んだもの。藤原行成が清少納言に贈ったと『枕草子』に記述がある。 結果(けっか) 小麦粉を練って緒のように結び、油で揚げたもの。加久縄(かくのあわ)とも。 餺飥(はくたく) ほうとうとも読む。小麦粉をこねて平らにし、切り揃えたもの。平安時代後期には、藤氏長者が春日大社で必ず食べた。 粉熟(ふずく) 粉粥とも書く。米、麦、大豆、小豆、胡麻を粉にしてこね、ゆでて甘葛をかけて竹に詰め、押し出して切ったもの。 椿餅(つばいいもち) 現在の桜餅(関西風)に酷似しており、中国伝来ではなく日本起源とも。
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