債務上限問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:26 UTC 版)
「ティーパーティー運動」の記事における「債務上限問題」の解説
アメリカの連邦債務上限(14兆3,000億ドル)の引き上げ問題で、8月2日の期限が迫り、デフォルトの危機が囁かれる中、中間選挙で当選したティーパーティー系議員たちは、下院共和党保守派のリーダーであるジム・ジョーダン議員を中心に、同党の下院トップであるジョン・ベイナー下院議長の案に、強硬に反対した。財政赤字削減を強く求めるティーパーティーは新人議員らを後押しし、地元議員に電話攻勢をかけ、「赤字削減が不十分」と共和党指導部を突き上げさせたのである。この動きに対して、ベイナー議長は圧力を強めるとともに、憲法に財政均衡についての修正条項を付すとの条件を追加して懐柔を図ったため、下院で80人と目されているティーパーティー系議員のうち、7月29日に実際にベイナー案に反対票を投じたのは22人に留まった。しかしこの右寄りの修正には、民主党のリード上院院内総務は「理解しがたい」と否定的で、上院ではすぐに否決された。結局、この問題は期限前日に民主共和の指導部が協議して曖昧な妥協案が成立し、下院と上院でも可決され、大統領が署名してデフォルトは回避された。ティーパーティーは久々に存在感を示したが、世界経済を人質に取る行為との批判もよせられた。彼らが共和党にも逆らい、交渉を長引かせたことでS&Pの米国債格下げにもつながったとしてケリー上院議員は「ティー・パーティー格下げ」だと非難し、前大統領上級顧問アクセルロッドも同調したが、対してマケイン上院議員は大統領の指導力にこそ原因があると反論し、ティーパーティー・エクスプレスのクリーマー議長も「暴落は我々のせいではない」と民主党のほうにこそ責任があると語り、責任をなすりつけ合った(関連話)。
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