偽装難民問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:09 UTC 版)
日本の難民認定制度への申請は何度でも可能である。申請中は本国に強制送還されず在留資格を持てば就労も可能であることから、出稼ぎ目的で来日した「偽装難民」も存在する。2010年からは難民申請から6カ月が経過すれば一律に仕事に就くことができる。近年日本で難民認定の申請が急増しているのもこの「偽装難民」が原因の一つである指摘されている。日本国内で難民を支援する弁護士グループや非政府組織は「偽装難民」の存在や問題を認識しつつも、制度の乱用対策よりも認定制度の改善を優先させてから「偽装難民」問題に取り組むべきとしている。法務省では極端に低い難民認定の基準を国際水準に高めるための議論が行われている。2015年9月、法務省は難民の認定制度について「新しい形態の迫害」を認めることや認定に対して外部の有識者による「難民審査参与員」の意見を採り入れる事を決めた。はお、実際に受入数を増やしたいとの思いで難民審査参与員を引き受けたとする吹浦忠正によれば、100人以上を担当した中で1人として難民認定すべきとの意見提出には至っていないとされる。2010年、難民申請をすれば、申請の6カ月後からフルタイムで労働に従事することが可能になったが、その結果、日本での労働を希望する者が「難民」として申請するケースが多く出ているとされる。結果として、法務省の難民受付の事務がパンクし、申請に多大な時間がかかるようになった。結果待ちは、偽装難民にはその分、結果が出るまで長期間の労働が可能となり好都合だが、本来の難民にとっては長期間待たされる状況になっている。遠山清彦(当時公明党議員)は、この規制緩和を「民主党政権の隠れた大失政」と批判している。こうした問題から法務省は難民認定の運用を変更、難民になった理由が借金、正当な理由のない再申請者など明らかに難民とみなされない申請者に対して手続き中での就労及び在留の不許可となった。
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