保護への脅威・災害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 11:53 UTC 版)
「マチュ・ピチュの歴史保護区」の記事における「保護への脅威・災害」の解説
マチュ・ピチュはペルー国内では特に観光客が多く訪れる観光地のひとつであり、年間訪問者数は1980年代に約18万人だったものが、2003年には40万人を超え、2006年には691,623人に達した。多い時期には1日あたりの観光客が1500人から2000人にもなるが、遺跡保存のための許容量を超過しているという見解もある。都市遺跡を一望できるワイナ・ピチュ側では、マチュ・ピチュよりも先に1日400人までとする入場制限が設けられた。400人の内訳は午前7時から10時までと午後1時から3時までにそれぞれ200人ずつとなっている。マチュ・ピチュの都市遺跡の観光にもさまざまな規制はあり、範囲内の飲食禁止、禁煙・火気厳禁、高齢者などが杖を持ち込むときには先端にゴム製カバーがついたものに限ることなどが定められ、立ち入り可能なエリアや見学する際の順路も決められている。 2008年の第32回世界遺産委員会では、保護区内での森林伐採や無計画な開発などへの懸念から、「強化モニタリング」指定が行われた。また、新たな観光道路の建設計画が持ち上がった2011年の第35回世界遺産委員会では危機にさらされている世界遺産(危機遺産)リストへの登録も検討された。 また、こうした問題とは別に、21世紀初頭には周辺での地滑りの危険性が指摘されており、特定非営利活動法人国際斜面災害研究機構の現地調査などが実施されていた。しかし、2010年1月には周辺地域での何日間にもわたる大豪雨によって、実際に大規模な地滑りが発生するなどし、約2000人の観光客(日本人含む)が孤立する事態が発生した。周辺の復旧作業のため、マチュ・ピチュ遺跡の観光は同年3月末までできなくなった。
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