使役犬としての資質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:06 UTC 版)
「ラブラドール・レトリバー」の記事における「使役犬としての資質」の解説
ラブラドール・レトリーバーは労働意欲が高い知的な犬種で、その性質も概して良好である。アメリカの調査機関 (American Temperament Test Society) が実施した性質のテストで、92.3%のラブラドール・レトリーバーが合格したという統計が残っている。この優れた能力、性質を活かしてラブラドール・レトリーバーは、狩猟犬、災害救助犬、探知犬、身体障害者補助犬、セラピー犬などの役割で使役されている。カナダでは盲導犬に使役されている犬のうち、およそ60 - 70%がラブラドール・レトリーバーで、その他の犬種としてはゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパードがあげられる。耳が折れている点が、他の種類に比べて他人に恐怖感を与えないということで、盲導犬・聴導犬・介助犬・セラピー犬として必ず採用される。 ラブラドール・レトリーバーは泳ぎが得意で、凍て付くような水温下でも長時間泳ぎ続けることができる。この能力は鳥猟犬として最適なもので、狩猟の獲物である撃ち落された鳥を視認し、優れた嗅覚で臭いを探り当てて獲物が落下した場所までたどり着き、水に落ちた獲物であってもハンターの下へと運んでくることが出来る。このため、ラブラドール・レトリーバーは水鳥回収の王 (king of waterfowl) とも呼ばれている。狩猟犬としてのラブラドール・レトリーバーは回収用途の他に、獲物の発見(ポインティング)や獲物の追い出し(フラッシング)にも用いられており、狩猟愛好家にとって極めて優れたパートナーとなっている。 ラブラドール・レトリーバーが知的で自発的な行動をとることができる好例として、2001年に人命救助をしたエンダル (en:Endal) という名前の犬があげられる。エンダルは交通事故によって意識を失った飼い主に回復体位をとらせ、車の中から携帯電話と毛布を運び出した。そして毛布を気絶している飼い主にかけたうえで、近くの家に助けを求めるべく吠え立てて、さらに近くのホテルへ駆けていって救助を求めたのである。また、ATMでの金銭やカードの取り忘れを飼い主に教える訓練を受けているラブラドール・レトリーバーも多い。 ラブラドール・レトリーバーは、レオンベルガー、ニューファンドランド、ゴールデン・レトリバーなどとともに救助犬、水難救助犬としても使役されている。イタリアにはこれらの犬種を救助犬として訓練する学校も存在している。
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