作戦失敗の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 17:04 UTC 版)
戦史家のZiemkeは、作戦失敗の原因として、以下の点をあげている。 軍事作戦に不適切で、著しく防衛側に有利な地形。なにも敵の抵抗がなくても、1時間に1kmしか進めないレベルだった。 OKWの作戦地図のあやまり。ソ連製地図で道路でないものを、道路と表記したのは、重大なミスだった。 甚だしく、不利な補給インフラの格差。ソ連軍は、ムルマンスク鉄道を使って、増援・補給ができたが、ドイツ側は、ナルビクから沿岸航路で、これは、イギリス海軍、ソ連海軍の脅威にさらされていた。ペツァモ港は、入り口がリョーバチ半島のソ連軍重砲の射程圏内で使えなかったので、キルケネスから車両運送になったが、道路は貧弱だった。 ソ連軍戦力の過小評価。OKWの情報評価では、対抗するのは貧弱な装備の1個師団弱を予測していたが、実際には2個師団で、ソ連軍は頑強に抵抗した。更に、ソ連軍の沿岸上陸作戦については、想定していなかった。 不十分な空軍の支援。空軍の増援は、ノルウェー駐留軍からOKWを経由して、空軍総司令部(OKL)すなわちゲーリングに依頼しないと出来ないが、OKLは主戦線からの戦力転用に消極的だった。 そして、7月の2回目のリスタ川総攻撃のあと、ディートルが報告した時に、この作戦は打ち切って、ペツァモの防衛に必要な兵力を除いて主力は、XXXVI軍団の戦線に投入すべきであった、と結論づけている。ドイツ軍は、軍事的にも経済的にも無価値な領域を取得しただけで、ほぼ1個師団近くを失うことになった。
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