任務・権限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 01:44 UTC 版)
「アメリカ合衆国国防副長官」の記事における「任務・権限」の解説
国防総省のウェブサイトに掲載された組織概説では、国防副長官の任務・権限について「国防長官のために行動し、また法令に則り長官が行うことが認められているあらゆる事柄に関して、長官の権限を委任される。」とされている。また、国防副長官についての諸規定を定めた合衆国法典第10編第1部第4章132条では、同条(b)項前段において同様のことが定められている。 また、同条(c)項では、国防副長官を国防総省の「最高管理責任者」(Chief Management Officer,CMO)として職務にあたると規定されている。これは、年度によっては数千億ドル規模にも上る国防総省の予算の執行・管理や文民だけでも数十万人に及ぶ職員の統制など、国防総省の日々の業務執行を監督する職責を負っているということであり、国防長官がより規模の大きな職務(外遊や大統領への助言など)にあたらなければならないことが多い中で、国防副長官に与えられているCMOの職務は最高執行責任者(COO)の立場に近い。アメリカの国防戦略の方針を示す「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)を策定する上級レベル再検討グループ(Senior Level Review Group,SLRG)の議長を務めるのも国防副長官である。 権限や序列についても、合衆国法典第10編第1部第4章132条で詳しく定められている。同条(d)項では国防総省内での序列について、国防副長官の序列は「国防長官のすぐ後ろ」、すなわち2位であると定められている。また、権限については同条(b)項後段に重要な規定があり、「国防副長官は、長官が職務不能に陥った場合、あるいは長官が欠けた場合には、長官(の職務)を代行し、長官の権限を行使しなければならない。」とされている。これまでに国防長官が職務不能に陥ったケースは無いが、一時的に長官が欠けたケースは3例存在している(いずれも死亡等によらない自発的な退任によるもの)。最初の例は、リチャード・ニクソン大統領政権下において、エリオット・リチャードソン長官が司法長官に就任するために辞職した時のことであり、この時は後任者であるジェームズ・R・シュレシンジャー長官が就任するまでの39日間を、ビル・クレメンツ副長官が長官代行として職務にあたった。2例目は、ロナルド・レーガン政権からジョージ・H・W・ブッシュ政権への移行時のことであり、フランク・カールッチ長官が退任してから後任者であるディック・チェイニー長官が就任するまでの59日間を、政権移行後も留任したウィリアム・タフト4世副長官が長官代行として職務にあたった。そして3例目は、シリアからの撤退をめぐってドナルド・トランプ大統領と対立したジェームズ・マティス長官が辞任した結果、2019年1月1日以降にパトリック・シャナハン副長官が長官代行として職務にあたった。
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