任務の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 03:18 UTC 版)
空軍による空輸任務は、大きく戦略空輸と戦術空輸に分けられる。戦略空輸とは、大量の物資をある地域から別の活動地域に運ぶ任務である。後方の補給基地(通常は本国)から、前線に設けられた集積基地に運び込むもので、通常は大量の物資を長距離輸送することになる。一方、戦術空輸は、集積施設に運ばれた物資をさらに前線の各活動地域に輸送して、細分化された末端の組織に兵員や資材、物資を分配するものである。 民間の物流におけるハブ・アンド・スポーク・モデルでいえば、戦略空輸がハブ空港間の運航、戦術空輸がハブ空港からのスポーク路線の運航にあたる。ただし、民間の航空輸送の場合はハブ路線とスポーク路線では運ぶものの大きさや量も変わってくるのに対し、軍の輸送では、輸送距離や輸送総重量と、輸送品単品の大きさや重量には相関関係がないという相違点がある。すなわち、大きな部隊への輸送と小さな部隊への輸送を比べると、輸送量という点では大きな差があるが、大部隊では戦車を使っているものが小部隊であればオートバイで足りる、というようなことにはならない。このため、戦術輸送機であっても、ある程度の搭載能力が求められる。 なお、固定翼機が着陸できないような場所への補給では、輸送機からの空中投下や、状況によっては大型の輸送ヘリコプターを使っての端末空輸も実施される。ヘリコプターは、固定翼機と比べて航続距離が短く、ペイロードも少なく、車両輸送に近い特性を有するが、どこででも離着陸できるというメリットがある。一方、ヘリコプターは運航コストが高いというデメリットがあり、アメリカ陸軍では「他の方法では物理的制約によって限界がある場合に利用する」と述べている。
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