代表的な手術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:22 UTC 版)
心臓外科領域における手術の大部分は開心術であり、術式は多岐に渡るが、以下に代表的なものを挙げる。 弁膜症手術 心臓弁の病変に起因する弁機能不全(弁狭窄・閉鎖あるいは閉鎖不全・逆流症)に対し、弁形成術、弁輪形成術などの弁修復術、あるいは弁修復が不可能な場合は人工弁(生体弁または機械弁)による弁置換術を行う。いずれも体外循環が必須である。 冠動脈バイパス術 心筋梗塞・狭心症などの虚血性心疾患に対して冠動脈の狭窄部をバイパスする手術。1964年に最初の大動脈-冠動脈バイパス術(A-C bypass)が行われ、その後人工心肺と心筋保護法の発展とともに体外循環心停止下の冠動脈バイパス術が世界的に普及した。その後1990年代後半からは、体外循環を使用しない心拍動下バイパス術(OPCAB)が開発され、普及してきている。 胸部大動脈手術 大動脈弁輪拡張症(マルファン症候群に伴いやすい)や胸部(上行・弓部)大動脈瘤、急性大動脈解離などの大動脈疾患に対する大動脈基部置換術、あるいは胸部大動脈人工血管置換術がある。上行・弓部大動脈に対する置換術などは厳密には開心術とは言えないが、同様に人工心肺を使用し、心停止・心筋保護法を用いた手術を行う。 なお、弓部大動脈置換術の場合は脳灌流を維持するために、体循環とは別のポンプを用いて選択的脳灌流(腕頭動脈あるいは右腋窩動脈、および左総頸動脈に血液を流す)または逆行性脳灌流と呼ばれる方法を行う必要がある。 先天性心疾患に対する開心術 小児心臓外科における先天性心疾患に対する心内修復術、また姑息術の一部(ノーウッド手術など)は人工心肺を必要とする開心術であるが、前述の動脈管結紮術やBTシャント術、肺動脈絞扼術などは心拍動下に行う非開心術である。 心移植術・補助人工心臓植込み術 重症心不全などの重度に障害を受けた心臓に対して他人の臓器提供者(ドナー)の心臓を移植する心移植術、あるいは心臓の働きの一部を補助する補助人工心臓を植え込む手術が人工心肺下に行われている。 心臓腫瘍(心房粘液腫など)の切除術
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