麻酔高
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/28 03:27 UTC 版)
麻酔高の調節は体位や麻酔薬の選択で調節が可能である(投与量は麻酔範囲との相関が低いことが知られている)。しかしそれらは非常に経験的であるため必ず麻酔範囲の確認が必要となる。代表的な手術において必要な麻酔高を以下に示す。 下腹部手術 子宮全摘、卵巣手術 Th7 虫垂切除 Th4(腸管牽引をするため) 前立腺全摘 Th10 膀胱部分切除 Th10 鼠径ヘルニア Th10 鼠径部以下 TUR Th10 精巣手術 Th10 下肢手術 Th10 (ターニケットを用いることが多いため) 外陰部、肛門 S 麻酔高を判定するにはデルマトームを参考とする。特にわかりやすいものとしては、腕がC領域、乳頭はTh4、剣状突起はTh6、臍部はTh12、大腿はL領域、膝がL3、大腿後部はS2、足底部はS1、肛門がS3である。 体位調節で必要なレベルの麻酔効果が得られなかった場合は再び穿刺し麻酔薬を追加するしかない。麻酔薬によるブロックは細い神経線維から順に効果が現れることが知られており、交感神経、温覚、痛覚、触覚、圧覚、運動神経という順にブロックされていく。痛覚の判定を行うピンプリックテスト、温覚の判定を行うコールドサインテスト、運動神経の判定を行うBromageスケールが有名である。
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